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2001.2.24
 
 


日本のゲーム産業を凌駕する動き…

 ついにドリームキャストがゲーム機器市場から退出する。日本企業が席巻する家庭用ゲーム機器市場だが、1社が脱落することになる。失敗に至った理由はいろいろあるが、なんといっても「通信」型という斬新なコンセプトを浸透させることができなかったことが大きい。

 「通信」をウリにしたゲーム機器は、確かに「素晴らしい商品」だが、まだユーザーから広く賛同を呼ぶまでに至ってないことを示したといえよう。
 振りかえってみれば、ファミコン・トレードも同じである。アダプター接続だけで株取引可能と、絶賛されたが、利用は広まらなかった。ファミコンも、通信を意識して開発された商品だったが、通信では成果はあがらなかった。

 これを日本の高額な通信料金のせいにする人が多い。しかし、通信料金が安価な米国で伸びなかったのだから、決定的な要因とはいえまい。実際、通信料金が高いにもかかわらず、iモードは大ヒットしている。従って、ゲーム機器は、いまもって、通信を用いるキー・アプリケーションを提起できていないといえよう。
 このことは、生き残り側にも当てはまる問題だ。

 通信を活用して、従来型ゲームの次元からの脱皮ができないと、事業は衰微しかねない。飽きが来れば一挙に退潮しかねない産業であるから、動きを急ぐ必要があろう。

 もともと、ゲーム自体は通信に不向きとは思えない。実際、韓国では、家庭内のゲーム機ではないが、通信ゲームが爆発的に伸びている。こちらの動きが、世界のゲーム市場を動かすシナリオもありえると思わせるほどの急伸張だ。

 通信を活用したエンタテインメント開発では、韓国が先行しているといえよう。
 これは偶然ではない。韓国政府はゲーム産業を戦略産業と考え、クリエイター支援策を打ち出している。優秀な頭脳さえあれば、お金がなくとも、ゲーム・アニメーション業界で活躍できる道を徹底的に整備しているのだ。通信ゲーム市場の勃興と、こうした施策の好循環が始まったと見るべきだ。


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