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2002.3.20
 
 


リードユーザーはシンガポール…

 乗用車のシェアリングサービスがシンガポールで始まった。これを、車所有権が高額、交通大混雑といったシンガポールの特殊性と見るべきでない。シンガポールは先進的な新産業創出に絶好な地になりつつあるのだ。

 日本でも、一部地域で試行実験があるが、それだけの話しである。
 この手の実証試験は、大部分が事業化に結びつかない。ニーズを知るための試行とされているが、補助金と政府のお墨付きを得るためのプロジェクトが大半だから、当然だろう。実験なので、プロジェクト完了時点で、貴重なデータが収集できたとのコメントと共に、成功と総括できる。推進者は責任を問われることはないし、次のステップを考えておく必要もない。
 多数企業相乗り型実証試験は、曖昧な事業コンセプトが多い。しかも、各社の要求が雑炊的に取り入れられるから、顧客像も分裂している。そもそも、先進的な顧客を創出する発想が無い。

 これに対して、シンガポールの件は、最初から商用化である。日本企業が先進的な仕組みで挑戦を開始した。事業コンセプトを試すには、このような方法が最適である。一番重要な顧客獲得プロセスを磨くことができるからだ。

 全く新しい商品やサービスに応える先進ユーザーを作り出す仕組みがシンガポールにできつつある。
 有料道路の自動料金徴収システムも好例だ。シンガポールはとっくにシステム完備だ。料金所の大混雑が続いても、日本では普及が進まない。リードユーザーがメリットを感じない仕組みだから当然だ。
 リードユーザーを日本でなくシンガポールで見つける時代に入ったといえよう。日本だけで研究開発を進めていると、先を走れないようになった。


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