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2002.8.11
 
 


中関村の大発展…

 北京の中関村サイエンスパークといえば、中国のシリコンバレーとして有名である。(http://www.zgc.gov.cn/cms/template/index.html)
 古くから「中関村」の名前を知る人は、秋葉原の電気街のイメージを持ちがちだが、今や、世界のハイテク産業拠点の1つになりつつある。

 この地域には、巨大な産学複合施設が点在している。中国科学院を筆頭に数多くの研究機関がある上、大学も静華大学、北京大学、北京理工大学、といった数十の学校がひかえる。研究者・エンジニア・学生、数十万人が集結していることになる。
 この人材を活用し新事業を生み出そう、とケ小平が檄を飛ばしたため、台湾始め、海外の華人がはせ参じたと言われている。すでに、デスクトップパソコンのリーダー聯想を輩出したことだけでも、十分な成果といえるが、さらに世界に雄飛すべく、ハイテク産業区構築に邁進しているのである。

 この地域の豊富な優秀な人材に加えて、留学帰国者「海帰族」が、この地域に殺到し始めていることで、力量向上に加速度がついている。
 特に、ITバブル破裂後、経済好調な中国本土で働こうとの帰国者が増えている模様だ。
 2002年時点で、この地域で3569人の元留学生が就業しているいう。米国、日本、カナダ、ヨーロッパの名門大学に留学した人達だが、その大半は、博士の学位と5年以上の研究の経験がある。当然ながら、多国籍企業で、研究職や管理職に従事した人も多い。世界のトップクラスが大挙して集まってきたのだ。
 こうした留学生の多くが起業する。すでに、創業は1223社にのぼる。毎日1社は創業しているスピードだ。(「人民網日本語版」2002年6月7日)

 すでに、面積13000平米のインキュベーター施設(中関村国際孵化器)は満員状態だという。このため、既存のオフィス・ビル、工場、実験室資源を活用して、施設を拡充するという。(http://www.bjdjuc.co.jp/zgc/news/20020328.htm)

 まさに、シリコンバレーの姿を彷彿させる活動状況である。
 このため、日米の大手企業も続々と研究所を設置しており、数百人規模は珍しくなくなった。ここでは、中国は技術を導入する国ではなく、技術と新事業を創出する国と見なされているのだ。


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