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2002.8.23
 
 


中国インターネット人口の急増…

 2002年に入り、様々な調査機関が、中国インターネット人口が世界2位になったと報じている。
 地域差が大きいため、遅れた点を見ている人は、とても信じがたいと言う。人口が12億7千万人と巨大だから推計誤差は大きいが、半年毎に継続的に行った調査結果からみる限り、インターネット人口激増は間違いないようだ。

 人民日報がインターネット版(網絡版)をスタートしたのは、1997年1月である。当時の中国のインターネット人口は6万人に満たなかったという。(http://j.people.com.cn/ser/) 約5年で、数百倍に達したことになる。初期の動きから見れば、これ程の伸張は予想できなかったが、その後、急速に発展したのである。

 中国は物・商流のインフラが整っていないから、消費者がインターネット取引に関与することは難しい。そうなると、インターネットの魅力は情報収集とメールいえよう。それだけで、これ程の人を惹きつけたのである。

 情報が少ない中国だから、当然と見る人もいるが、日本と比較すれば、情報提供側の努力が奏功したといえそうだ。
 日本では、初期のころのホームページといえば、第1面に頭取・社長の顔写真とご挨拶を並べるだけのものさえあった。一応参加しておこう、との態度である。中国にはそのような発想はない。始めから、実質的な効用を図っている。
 地方行政機関でさえ、中小企業振興のため、現実に役立つ情報を用意しており、情報開示スピードは速い。投資呼び込み競争が厳しいためである。
 中央政府のインターネット重視策も、通信インフラ構築だけでなく、情報提供にも及んでいる。
 なかでも驚きは、中央電視台の動きだ。TVニュースの動画配信を始めている。(http://www.cctv.com/)

 ポータルの競争も激しい。米日ならトップといえばヤフーだが、中国は異なる。広大な国だから、全国版と地域版がわかれるのは当然だが、一握りの中国独自ポータルが優勢だ。(例えば、http://www.sina.com.cn/、http://www.163.com/、http://news.sohu.com/、http://www.elong.com/、http://www.tom.com/)
 目を見張るほど内容が充実している。例えば、「黄頁」はイエローページのことだが、企業情報満載である。「招聘」はリクルート情報だが、募集数は膨大だ。外資系企業がスポンサーになっているサイトもあるし、広告も目立つ。

 ウエブ評価も行われており、「インターネット傑出人物・優秀サイト」が発表されている。(http://www.ctc.org.cn)
 このサイトを見れば、欧米IT企業と中国企業が組んで、インターネット普及を牽引してきたことがわかる。朱首相米国訪問後、98年から欧米企業が本格進出した成果といえよう。日本企業の影は薄い。


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