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2003.6.1
 
 


中国の技術競争力を脅威と感じる時…

 2003年5月15日、Intelは上海工場製「Pentium 4」の中国国内販売を開始したと発表した。5億米ドルを投入して、2002年に建設した上海工場が本格稼動を始めたのだ。1700名が働く大規模工場である。 (http://www.intel.com/cn/gb/pressroom/archive/releases/20030515.htm)

 3月には、IBM、東芝、Acerに加えて中国のリーダーLegendもIntelの無線アクセス統合型チップ「Centrino」をノートパソコン採用、との発表もなされている。

 次々と果敢な展開がなされているが、当然の動きといえよう。Intelだけでなく、東芝、NEC、ST Microelectronics、サムスン、Texas Instruments、Motorolaと半導体メーカーの中国参入は目白押し状態である。

 ここまでくると、中国は安価な生産基地とは呼べない。
 中国は半導体チップメーカーが成長するための不可欠な市場であり、その市場参加が最優先課題なのである。市場成長スピードは圧倒的であり、日欧米市場の低迷とは好対照といえる。
 このまま成長が続けば、おそらく2005年には日本市場の規模に達するだろうし、その後米国を越す可能性さえある。

 こうした流れが進めば、日本にとって、中国の脅威とは、もはや安価な生産能力ではない。最大の脅威は先端技術競争だ。

 欧米の通信技術者の名前を見ればわかるが、中国系が溢れている。国籍は様々だが、勤務地よりは、仕事と待遇に関心がある人達だ。彼等が、最大の市場が生まれようとしているのを見れば、雪崩をうって中国に移り始めるだろう。
 そうなれば、中国は確実に、半導体と通信技術のメッカになる。

 日本の技術競争相手が中国になるのは、そう遠い将来のことではない。


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