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2004.4.15 |
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一大消費市場の勃興…
中国8都市の20代・30代の生活者が対象である。 中国の都会が、どの程度の生活水準に達しているのか、人によって言うことが違うので、よくわからなかったが、これで実態が見えるようになった。 家電製品のの普及率を見ると、ほとんど日本並である。(2)固定電話の普及率が91.6%なのであるから、財に関しては、ほとんど日本の家庭と同じ質といえそうだ。 中国に、日本と同程度の生活レベルの1億人を越える人口を擁している地域ができあがっている訳だ。 東アジアには、米国や欧州と肩を並べる、2億5,000万人の大消費市場が存在しているということだ。 アジアは、雑多な文化、互いに噛み合わない社会慣習、通じない言葉、生活レベルの大きな差、といった障害があるため、なかなか統一市場はできないと言われてきたが、もはやそのような見方は意味がなくなってきたといえよう。 貧富の差がとてつもなく大きいことは事実だが、先進国並のレベルに達した層だけを見ると、少なくとも生活レベルは大差なくなったのである。 そして、なによりも驚きは、中国の若者は、日本製品や韓国製品のイメージを持っていることである。 例えば、高品質の商品を購入したければ日本製品を選択するといった、商品選別眼ができあがっている。 このことは、製品開発における対象ユーザーを日本から、中国に替える必要が発生していることを意味しそうだ。 今までのパターンは明瞭だった。 日本の消費者の五月蝿い商品選別眼に晒され、切磋琢磨された製品は、世界市場を席巻できたのである。 しかし、これからはそうはいくまい。 中国の消費者は、「カッコイイ」製品は韓国製品と考えている。その上、日本製品より、中国製品の方が「活気」があるという。日本市場で素晴らしい製品であっても、アジア市場ではそう見られてはいない。 中国と日本のどちらの嗜好が、グローバル標準に近いかを考えれば、これは深刻な問題である。世界市場を考える上では、中国消費者の商品選別眼の方が頼りになりそうなのだ。 日本製品は、もう少しデザインに力を入れるべきだ、という次元で解決すべき問題ではない。 このまま日本の消費者相手の製品開発を続けていれば、日本製品はメジャーな地位を奪われるかもしれないのである。 --- 参照 --- (1) http://www.hakuhodo.co.jp/news/pdf/20040407.pdf (2) 二人以上の一般世帯データ http://www.stat.go.jp/data/zensho/1999/zuhyou/a313.xls アジアの先進性の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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