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2004.4.15
 
 


一大消費市場の勃興…

耐久財保有率(%)
中国都会 日本全国
カラーテレビ 99.5 99.3
洗濯機 93.1 99.4
冷蔵庫 不明 99.2
電子レンジ 69.2 95.2
エアコン 62.6 84.2
自家用車 7.0 84.9
携帯電話 80.4 64.9
ファックス 5.4 33.1
VCDプレーヤー 73.1 非該当
ビデオデッキ 30.2 78.5
DVDプレーヤー 32.7 不明
パソコン 47.8 37.7
 2004年4月、「中国主要8都市20代・30代の生活者の価値観と消費調査」(博報堂グローバルHABIT2003)が公表された。(1)

 中国8都市の20代・30代の生活者が対象である。

 中国の都会が、どの程度の生活水準に達しているのか、人によって言うことが違うので、よくわからなかったが、これで実態が見えるようになった。

 家電製品のの普及率を見ると、ほとんど日本並である。(2)固定電話の普及率が91.6%なのであるから、財に関しては、ほとんど日本の家庭と同じ質といえそうだ。
 中国に、日本と同程度の生活レベルの1億人を越える人口を擁している地域ができあがっている訳だ。
 東アジアには、米国や欧州と肩を並べる、2億5,000万人の大消費市場が存在しているということだ。

 アジアは、雑多な文化、互いに噛み合わない社会慣習、通じない言葉、生活レベルの大きな差、といった障害があるため、なかなか統一市場はできないと言われてきたが、もはやそのような見方は意味がなくなってきたといえよう。
 貧富の差がとてつもなく大きいことは事実だが、先進国並のレベルに達した層だけを見ると、少なくとも生活レベルは大差なくなったのである。

 そして、なによりも驚きは、中国の若者は、日本製品や韓国製品のイメージを持っていることである。
 例えば、高品質の商品を購入したければ日本製品を選択するといった、商品選別眼ができあがっている。

 このことは、製品開発における対象ユーザーを日本から、中国に替える必要が発生していることを意味しそうだ。

 今までのパターンは明瞭だった。
 日本の消費者の五月蝿い商品選別眼に晒され、切磋琢磨された製品は、世界市場を席巻できたのである。
 しかし、これからはそうはいくまい。
 中国の消費者は、「カッコイイ」製品は韓国製品と考えている。その上、日本製品より、中国製品の方が「活気」があるという。日本市場で素晴らしい製品であっても、アジア市場ではそう見られてはいない。
 中国と日本のどちらの嗜好が、グローバル標準に近いかを考えれば、これは深刻な問題である。世界市場を考える上では、中国消費者の商品選別眼の方が頼りになりそうなのだ。

 日本製品は、もう少しデザインに力を入れるべきだ、という次元で解決すべき問題ではない。

 このまま日本の消費者相手の製品開発を続けていれば、日本製品はメジャーな地位を奪われるかもしれないのである。

 --- 参照 ---
(1) http://www.hakuhodo.co.jp/news/pdf/20040407.pdf
(2) 二人以上の一般世帯データ http://www.stat.go.jp/data/zensho/1999/zuhyou/a313.xls


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