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■■■ 曼荼羅を知る [2019.1.30] ■■■
[4]胎蔵曼荼羅 観自在菩薩

中台八葉院の左隣が蓮華部院/観音院。主尊は言うまでもなく観自在菩薩。天鼓雷音如来に向き合うような姿勢である。
中台八葉院での観自在菩薩は、その天鼓雷音如来と無量寿如来/阿弥陀仏の間に位置している。

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┼┼┼┼┼┼┼┼│ ←釈迦院
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┼┼┼┼│ ←遍知院
├────┤│  [左隣接]観音院
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┼┼┼┼│ ←中台八葉院
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配置は3列である。
  Column 3 ⇔ 1
[U3]nnnn
[U2]nnPPPn
[U1]nnnn
[C0]nPPn ←観自在菩薩
[D1]nRPA
[D2]DGMT
[D3]PPPn

柔和な表情の像で統一されているように見えるが、馬頭観音菩薩は例外で憤怒形。
  [Column-1]
[U3] 蓮華部発生菩薩
[U2] 大勢至菩薩
[U1] 毘(哩)胝菩薩
[C0] (聖)観自在菩薩
[D1] 多羅菩薩
[D2] 大明白身菩薩
[D3] 馬頭観音菩薩
  [Column-2]
[U3] 大随求菩薩
[U2] 堵波大吉祥菩薩
[U1] 耶輸陀羅菩薩
[C0] 如意輪菩薩
[D1] 大吉祥大明菩薩
[D2] 大吉祥明菩薩
[D3] 寂留明菩薩
  [Column-3]
[U3] 披葉衣菩薩
[U2] 白身観世音菩薩
[U1] 豊財菩薩
[C0] 不空羂索菩薩
[D1] 水吉祥菩薩
[D2] 大吉祥変菩薩
[D3] 白処尊菩薩
  [A] n.a.(使者)
  [T] 多羅使者
  [P] 蓮華部使者 9体
  [M] 鬘供養使者
  [G] 焼香供養使者/焼香菩薩
  [D] 塗香供養使者/塗香菩薩
  [R] 宝供養使者/宝供養菩薩

よく知られる、六/七観音(聖 十一面 千手 馬頭 如意輪 准胝 +不空羂索)がこの院に揃っている訳ではなく、他の院に所属している菩薩もある。もともと、中台八葉院や釈迦院に観自在菩薩は登場している訳だし、バラけているのである。・・・
 十一面…十一面観自在菩薩@蘇悉地院
 千手…千手千眼観自在菩薩@虚空蔵院
 准胝…七倶胝仏母(准胝観音)@遍知院

尚、変化の三十三観音の代表を取り込んでいるようには見えないが「多羅」と「白衣」だけは別である。[(1)楊柳(2)龍頭(3)持經(4)圓光(5)遊戲(6)白衣(7)臥蓮(8)瀧見(9)施藥(10)魚籃(11)コ王(12)水月(13)一葉(14)青頸(15)威コ(16)延命(17)衆寶(18)巖(19)能淨(20)阿耨(21)阿摩提(22)葉衣(23)琉璃(24)多羅(25)蛤蜊(26)六時(27)普慈(28)馬郎婦(29)合掌(30)一如(31)不二(32)持蓮(33)灑水]

多羅観音は女性菩薩で、救度佛母と呼ばれており、観音の慈悲イメージに極めて近い。
又、白衣観音(=白衣観自在母)は白処尊菩薩と言われており、観音院全体の母性を意味していそう。

(参照 ママ引用でなく改変していますのでご注意のほど) 越智淳仁:「図説・マンダラの基礎知識―密教宇宙の構造と儀礼」大法輪閣 2005年

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