→INDEX ■■■ 曼荼羅を知る [2019.2.1] ■■■ [6]胎蔵曼荼羅 般若菩薩と不動明王 中台八葉院という八方に広がるイメージの中央から上側に遍知院+観音院、釈迦院、文殊院を眺めてきたが、密教の真髄たる明王が登場する下側を見ていこう。 先ずは、中台八葉院の上の遍知院と対称的な位置にある、下の持明院/五大院。 ┌────────────────┐ │┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼│ │┼┌─┬────────┬─┐┼│ │┼│┼│┼┼┼┼┼┼┼┼│┼│┼│ ←文殊院 │┼├─┼────────┼─┤┼│ │┼│┼│┼┼┼┼┼┼┼┼│┼│┼│ ←釈迦院 │┼│┼├─┬────┬─┤┼│┼│ │┼│┼│┼│┼┼┼┼│┼│┼│┼│ ←遍知院 │┼│┼│┼├────┤┼│┼│┼│ [左隣接]観音院 │┼│┼│┼│┼┼┼┼│┼│┼│┼│ │┼│┼│┼│┼┼┼┼│┼│┼│┼│ ←中台八葉院 │┼│┼│┼│┼┼┼┼│┼│┼│┼│ │┼│┼│┼├────┤┼│┼│┼│ │┼│┼│┼│┼┼┼┼│┼│┼│┼│ ←持明院 │┼│┼├─┴────┴─┤┼│┼│ │┼│┼│┼┼┼┼┼┼┼┼│┼│┼│ │┼├─┼────────┼─┤┼│ │┼│┼│┼┼┼┼┼┼┼┼│┼│┼│ │┼└─┴────────┴─┘┼│ │┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼│ └────────────────┘ 遍知院は主尊が焔に△の一切如来智印の5尊に、主尊の2待尊だったが、こちらは主尊が聞き慣れない般若菩薩。名称から見て、「般若経」経典の言葉を人格化したものであろう。 般若菩薩の表情は穏やかだが、横並びに左右2尊づつがが配置されるが、すべて明王。憤怒の形相が凄まじく密教感を醸し出している。煩悩・妄執を砕く気迫を表現しているのだろう。 ○○◎○○ [左端] 不動明王 [左隣] 抜折羅吽迦羅金剛/降三世明王 [中央] 般若波羅蜜多菩薩/般若菩薩 [右隣] 閻曼徳迦菩薩/大威徳明王 [右端] 勝三世明王/降三世金剛菩薩 俗に言う、【八方守護】の明王のうちの五大明王とされるなかの3尊が登場している。 毗盧遮那佛(大日如来)⇒[央] 不動明王 阿閦如來⇒[東] 降三世明王 寶生如來⇒[南] 軍荼利明王 阿彌陀如来⇒[西] 大威コ金剛明王/降閻魔尊 不空成就如来⇒[北] 火首金剛(夜叉)明王 穢迹明王(or 烏蒭沙摩明王) 無能勝明王 馬頭明王 まさに、"佛皆有此三身(如来・菩薩・明王)"の密教の粋ココにありだ。後に、単純明快で分かり易い"五如來⇒五菩薩⇒五明王"に進む土台が形成された訳である。 教者教通之義也。 令者巖動義也。輪者轉惑摧破義也。 摧破一切衆生煩惱令入如來體性故。 [胎藏界曼陀羅大鈔三] (参照 ママ引用でなく改変していますのでご注意のほど) 越智淳仁:「図説・マンダラの基礎知識―密教宇宙の構造と儀礼」大法輪閣 2005年 (C) 2019 RandDManagement.com →HOME |