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■■■ 曼荼羅を知る [2019.2.4] ■■■
[9]胎蔵曼荼羅 地蔵菩薩

地蔵院の主尊は地蔵菩薩であるため、この一画はどうしても地獄からの「代受苦」救済イメージを浮かべてしまうが、そのような概念を当て嵌めてよいのかは何とも言い難し。
と言うのは、錫杖を持つ剃髪姿とは程遠く、有髪で、装身具を付けている一般菩薩型だからだ。六道能化菩薩像の出で立ちとは言い難い。末法の世に入るとの考え方が広まり、未来佛(彌勒仏)時代までの謂わば無佛期の救世のための僧形となったのだろう。地蔵信仰が拡がってからの姿は違うのである。

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┼┼┼┼┼┼┼┼│ ←文殊院
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┼┼┼┼┼┼┼┼│ ←釈迦院
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┼┼┼┼│ ←遍知院
├────┤│  [左隣接]観音院
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┼┼┼┼│ ←中台八葉院
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├────┤│  [右隣接]金剛手院
┼┼┼┼│ ←持明院
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┼┼┼┼┼┼┼┼│ ←虚空蔵院
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┼┼┼↑地蔵院

尊像の配置は極めてシンプルで縦一列9尊。主尊は中央。

[U4] 除一切憂冥菩薩
[U3] 不空見菩薩
[U2] 宝印手菩薩
[U1] 宝光菩薩
[C0] 地蔵菩薩
[D1] 宝手菩薩
[D2] 持地菩薩
[D3] 堅固深心菩薩
[D4] 除蓋障菩薩
名称からみて、地蔵菩薩が持つ"何でも願い事がかなう"如意宝珠の威力が衆生済度の鍵を握っているのだろう。

(参照 ママ引用でなく改変していますのでご注意のほど) 越智淳仁:「図説・マンダラの基礎知識―密教宇宙の構造と儀礼」大法輪閣 2005年

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