→INDEX ■■■ 曼荼羅を知る [2019.2.9] ■■■ [2]金剛界曼荼羅 三昧耶会 金剛界曼荼羅中央の成身会の次ぎは、その直下の三昧耶会を見ていこう。 ❺ ❻ ❼…四印会 一印会 理趣会 ❹ ❶ ❽…供養会 成身会 降三世会 ❸ ❷ ❾…微細会 三昧耶会 降三世三昧耶会 ❷三昧耶会 基本構造は成身会と同じだが、一部変更。 ■四神⇒◆四(開敷)蓮華 ○賢劫仏千尊⇒◎賢劫十六大菩薩 波羅蜜菩薩と金剛菩薩以外の伝統的な菩薩も代表として加えた訳である。 ┼○┼○┼○○○○Ⓢ←Ⓦ→Ⓝ ┌─────────────────────┐ │○┼■┼○○■○○○■○○○■○○┼■┼○│ │○┌─────────────────┐○│ │■│●┼○◎○◎○○●○○◎○◎○┼●│■│ │○│○┌─┬─────────┬─┐○│○│ │○│○│◆│○○○○○○○○○│◆│○│○│ │○│◎├─┘○○○○●○○○○└─┤◎│○│ │■│○│○○●○○●●●○○●○○│○│■│ │○│◎│○○○○○○●○○○○○○│◎│○│ │○│○│○○○○○○○○○○○○○│○│○│Ⓦ │○│○│○○●○○○●○○○●○○│○│○│↑ │■│●│○●●●○●●●○●●●○│●│■│Ⓝ │○│○│○○●○○○●○○○●○○│○│○│↓ │○│○│○○○○○○○○○○○○○│○│○│Ⓔ │○│◎│○○○○○○●○○○○○○│◎│○│ │■│○│○○●○○●●●○○●○○│○│■│ │○│◎├─┐○○○○●○○○○┌─┤◎│○│ │○│○│◆│○○○○○○○○○│◆│○│○│ │○│○└─┴─────────┴─┘○│○│ │■│●┼○◎○◎○○●○○◎○◎○┼●│■│ │○└─────────────────┘○│ │○┼■┼○○■○○○■○○○■○○┼■┼○│ └─────────────────────┘ ┼○┼○┼○○○○Ⓢ←Ⓔ→Ⓝ ○賢劫十六大菩薩 Ⓦ○無量光○賢護○○光網○○月光 Ⓝ○無尽慧○辯積○○金剛蔵○普賢 (辯積=文殊) Ⓔ○慈氏○○不空見○滅悪趣○除憂闇 (慈氏=弥勒) Ⓢ○香象○○大精進○金剛幢○智幢 (金剛幢=虚空蔵) 当然ながら"金剛"名の密號が付けられている。 Ⓦ 大明/離染金剛 巧護/離垢金剛 方便/普願金剛 清涼/適ス金剛 Ⓝ 定惠/無盡金剛 巧辯/大惠金剛 持教/立驗金剛 普攝/如意金剛 Ⓔ 迅疾/正覺金剛 普見/真如金剛 普救/智滿金剛 淨智/解脱金剛 Ⓢ 大力/護戒金剛 勇猛/不退金剛 福貴/圓滿金剛 智滿/法滿金剛 尊像の配置は全く同じだから、この程度の違いだとたいした変化ではないと思ってしまうが、実際の図絵としては全く異なる。だからこその「三昧耶」という名称。 三昧耶とは、サンスクリットの原義からすると、"取決め"という意味とされている。つまり、ここでは、成身会を"三昧耶形"にしたという話。人格表現像の代わりにすべてえをシンボルを用いて表現したのである。 それには意味があるようで、如来形・菩薩形といった衣装を身につけた姿での差違への拘りを棄て、純粋に観想する修行を進めヨということだろう。真言宗では、三昧耶を平等(衆生は仏と等しく差異がない。)を基底とした「誓願+驚覚+除垢障」という意味で考えることになっているようだし。 経典を読んだ訳ではないから、間違っている解釈かも知れぬが、現代に通じる哲学的見地と言えるのではなかろうか。 姿という外見などどうでもよい話で、重要なのは、それぞれの使命である。それは多種多様であり、だからこそ相互依存関係が成り立ち集団が形成できる訳だ。その使命をクダクダ文章化などできる訳もないし、分析無用である。概念的把握ができるかどうかが鍵を握る訳で、それを「シンボル」という抽象形で現している訳だ。本来的には皆がそれぞれ違う仏なのである。 千人の一般大衆という言葉に実態などなく、あくまでも個の集まり。 従って、この曼荼羅図絵には「美」があってしかるべき。と言うか、鑑賞してもそれが感じられないなら、表面だけコピーした二流品と見て間違いない。この曼荼羅の肝はソコ。 と言うことで、すべての尊像は蓮台上の持物や印相で表現されることになる。尚、持物を持たない場合は、例えば大日如来なら塔になる。 ●五如来 大日…塔@五鈷杵 阿弥陀…独鈷開敷蓮華@五鈷杵 不空成就…十字金剛杵@五鈷杵 阿閦…五鈷杵@五鈷杵 宝生…三弁宝珠 ●四波羅蜜菩薩@大日如来 法…蓮華首独鈷杵 業(羯磨)…十字金剛杵 金剛…五鈷杵 寶…三弁宝珠 ●十六大金剛菩薩@阿弥陀如来 語…舌中三鈷杵 因…輪宝 法…蓮華独鈷杵 利…金剛剣 ●十六大金剛菩薩@宝生如来 幢…幢幡上三弁宝珠 宝…三弁宝珠 光…日輪 笑…笑口葉+横金剛杵 ●十六大金剛菩薩@不空成就如来 護…甲冑三鈷杵 拳…二拳弾指 牙…三鈷牙形 業…十字金剛杵 ●十六大金剛菩薩@阿閦如来 薩捶…五鈷杵 王…双立金剛鉤 喜…二拳弾指 愛…双立三鈷杵 ●四供養妃 金剛菩薩(内側) 鬘…三鈷縄(華鬘) 歌…六弦三鈷箜篌 舞…十字金剛杵 嬉…若干屈折三鈷杵 ●四供養妃 金剛菩薩(外側) 華…盛華器 燈…燈燭 塗…塗香器 香…焼香炉 ●四門護/四摂 金剛菩薩 鎖…鎖輪三鈷杵 鈴…五鈷杵 鉤…鉤形三鈷杵 索…索頭上独鈷杵 ○賢劫十六大菩薩 Ⓦ 無量光…光明 光網…羅網 賢護…賢瓶 月光…半月 Ⓝ 無尽慧…梵篋 弁積/文殊…五色雲 金剛蔵…独鈷四井字 普賢…剣 Ⓔ 慈氏/弥勒…群持 不空見…独鈷杵(両脇に眼) 滅悪趣…梵篋 除憂闇…無憂樹枝 Ⓢ 香象…鉢器 大精進…独鈷戟 金剛幢/虚空蔵…三弁宝珠 智幢…如意智幢 ◆四(開敷)蓮華 ■二十天 Ⓦ 羅刹…棒上火炎 風…幢幡上火炎宝 金剛衣…《象頭像》⇒弓箭 火…《仙人形》⇒三角火炎 毘沙門…《冠装着》⇒宝棒 Ⓝ 金剛面…《猪頭像》⇒三鈷鉤 炎摩…人頭棒 調伏…《象頭像》⇒三鈷剣 毘那夜迦…《象頭像》⇒歓喜丸 水…龍索 Ⓔ 那羅延…宝輪 俱摩羅…三鈷鈴 金剛摧…傘蓋 梵…紅蓮華 帝釈…《冠装着》⇒独鈷杵 Ⓢ 日…日輪 月…半月綸 金剛食…《象頭像》⇒華鬘 彗星…棒上火炎 熒惑…火聚 (参照 ママ引用でなく改変していますのでご注意のほど) 越智淳仁:「図説・マンダラの基礎知識―密教宇宙の構造と儀礼」大法輪閣 2005年 (C) 2019 RandDManagement.com →HOME |