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■■■ 本を読んで [2018.2.25] ■■■

現代日本食の流れ

税込\1,000。厚さ1cm大判手帳サイズの本を眺めてみた。

(C)無記載の手の書籍であり、知る人ぞ知る日本食糧新聞社の系列出版社の刊行物。
要するに、販売促進用の扉前広告印刷あるいは帯広告付き本を兼ねている訳だ。

なんといっても、表紙が秀逸。
11もの小さな写真が並んでおり、帯書き的文章が堂々と真ん中に印刷されている。
その上、枠に小さな文字で、中身の説明。
余りにゴチャゴチャで、なんだコリャの類いだが、それこそが日本の食の象徴であろう。
古今東西に地方色だけならまだしも、そこに新技術が次々と導入され、様々な工夫がこれでもかと加味されていく。その情熱たるや凄まじいものがある。

一見、スマートでシンプル、かつ繊細に見える"職人芸的"和食の国と思ってしまうが、それは食文化のほんの一角でしかなく、俯瞰的に眺めればどう見ても雑炊型文化。
ただ、それは決してチャンプルではなく、幕の内弁当に象徴されるように、洗練され"和風"とか"洋風"等に仕上げられるのである。そして、それを牽引してきたのが食産業と言って間違いないだろう。
要するに、それを感じ取らざるを得ない本に仕上がっているのである。小生は大いに気にいった。

例えば、日本各地特産漬物の写真が50近く掲載されているが、特段のこだわりもない小生にして、食べたことが無い品は1割にも満たぬのだ。素材としての野菜の種類の多さの反映もあるが、様々な特産品を賞味することの嬉しさが無ければこのようなことにはなるまい。
それこそが日本的風土といえまいか。

言うまでもないが、これに加えて、西洋型、中華型、朝鮮型漬物が何種類もある。こちらも存分に味わっているである。それも、決して特殊な食事シーンという訳でなく、日常食のなかに取り込まれ済とくる。
しかも、カレーライスに福神漬、といったとてつもない組み合わせが定番になっていたりする。昔、インド人とホテルオークラで昼食をとったことがあるが、コリャ絶品と、6種類のピクルスすべてが空になって驚いたことがあるが、このただならぬバラエティ度こそが魅力の本質かも。

もちろん、それは漬物に留まらないのである。

(本) (株)日本出版制作センター:「"早わかり"食の歴史書Hand Book "話のネタ本"」2017年3月31日
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