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2003.7.21
 
 


Power Lawの話…

 ウエブサイトは日々増え続けており、少なくとも数億の規模は越えていると思われる。これだけ膨大な情報があっても、我々が接しているサイトは極く僅かに過ぎない。
 情報接触分布がどうなっているのか、気になっていたが、Observerに面白い記事が掲載された。
 (2003年7月8日 http://observer.guardian.co.uk/business/story/0,6903,972764,00.html)

 ウエブサイトのサイズとリンクを見ると、自然現象で普通に見られる正規分布構造が当てはまらない、というストーリーだ。
 街で歩いていて、背の高い人には稀にしか遭遇しないのに、インターネット・サーフィンをすれば、巨大でリンク数も多いウエブサイトにたびたび出会う。ここは「power law」の世界だ、と語りかけている。

 最近流行りのブログでも、同じことが言える。リンクの張り方を見ると、圧倒的な集中が発生している。
 [例えば、InstaPunditのシェアはとび抜けている。](http://www.truthlaidbear.com/ecosystem.php)
 [もっとも、このような法則は良く知られている。](算数が嫌いな人は参照しないことをお勧めする。 http://www9.org/w9cdrom/160/160.html)

 よく考えれば、この状況は、我々の実生活と全く同じである。メディアは巨大化し、集中化している。

 この状態を見て、メディアの商業化とか、巨大資本による支配、と批判する自称進歩派が多い。その影響もあって、巨大メディアに対抗すべく、ミニコミ立ち上げ運動も盛んだ。
 この流れを見て、マスコミの時代から、ミニコミの時代に移行すると語る人もいる。

 しかし、ブログの現実を見ると、こうした主張には問題があることがわかる。

 ブログは、商業主義でもなければ、資本の論理が入っている訳でもない。立ち上げは自由であるし、リンクも個々の判断で行われる。ここには、なんの統制もない。
 それでも、極く自然に、圧倒的な集中構造ができあがる。

 ブログにも、80%の富が20%の人に所有される「20-80の法則」が通用している、とわざわざ解説する必要などあるまい。
 実務家や実生活派にとっては、極く当たり前の社会現象である。これはイデオロギーや資本主義の問題ではない。


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