↑ トップ頁へ |
2004.4.8 |
|
|
アジア野球リーグの可能性…2004年に入り、スポーツ記事は、大リーグの日本人選手の動向報道一色になった。日本の野球ファンの意識が変わったようだ。大リーグ側も、ここぞとばかり、日本人選手の売り込みに注力している。(1) と言っても、必ずしも、セ・パ両リーグに飽きたため、大リーグへの関心が高まった、とは言えないかもしれない。 しかし、明かに、変わった点がある。 ファンの声援が、選手個人に対して行われるようになったのだ。 今までは、野球ファンといえば、必ずご贔屓チームを応援するもの、と考えられてきた。と言うより、たいていは、チームの象徴たる監督を応援していた。ファンの話題の大半は、監督の采配話しだった。 そのため、選手の活躍より、監督の思考を抉った記事が受けていた。 これが、大リーグ報道で、一転した。 ところが、どうも、大リーグだけではないのである。 北海道では、開幕3連戦で観客10万人が集まったそうだ。(2) 新庄フィーバーで野球ファンが急増したのは間違いあるまい。 プロ野球ファンといえば50、60才代の男性と相場が決まっていたが、そうとも言えないことが、北海道における集客力で証明された。 日本のプロ野球はますます衰退すると見る人は多いが、(3)やり方によっては、大変貌もあり得ることを示したのである。 この好機を生かして、日本のプロ野球は改革ができるだろうか。 古い体質であるから無理、と言うのが通り相場の答えかもしれないが、変革の端緒となりかねない動きが発生している。 大リーグ開幕戦の日本開催である。 驚いたことに、開催日を、パリーグの序幕戦に直接ぶつけた。 おそらく、2リーグ制の無意味さと、グローバルスポーツ化必至との見方が、業界内部で広まっているのだろう。 しかし、問題は、どのような施策が登場するかだ。
一つの解は、アジアリーグかも知れない。 野球といえば、アメリカ圏(米国、カナダ、メキシコ、キューバ)のスポーツである。 グローバルで見れば、競技人口の多いスポーツとは言いかねる。実際、欧州ではせいぜいイタリア程度しか見当たらず、人気は乏しい。 ところが、日本も含めて、東アジアでは、結構人気がある。しかも、中国の人口を考えると、これからファン人口が伸びる可能性も高い。 一大旋風がおきてもおかしくない。 といっても、簡単ではない。韓国では1982年から始まっているが、日本では関心が払われないそうだ。 その状況を変えようと、「韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑」が発刊される位だ。 「最近の外国野球と言えば、メジャーリーグで活躍する日本選手にその関心と情報が 集中していますが、それに比べると韓国プロ野球についての情報は本当に少なく・・・」ということで、「一人でも多くの野球ファンに普及させたい一心で、採算を度外視した定価」で販売しているという。(4) 台湾では1990年に結成されたが、2004年には編成替えを行い、「コブラ、獅、牛、象、熊、鯨」の6球団制が採用された。 ようやく整備された、という状況だ。日本では話題にもならないようだ。 もっとも、8月はオリンピックに対応して、休戦になるとのことだから、国内対戦より、国際戦に関心が高いから、アジアリーグが始まれば加熱するのではなかろうか。 中国では2002年にプロ野球が始まったばかりである。(7) しかし、野球のレベルを、北京五輪の2008年までに、6位に引き上げる国家目標を掲げているから、発展を遂げることは間違いあるまい。(8) こうして見てみると、市場の成熟状況は全くバラバラだ。 政治的にナショナリズムを煽るより、スポーツ対戦で国別対抗で燃えた方が生産的だから、アジアリーグを、と呼びかけたくもなるのだが、簡単ではなさそうである。 今こそ、千載一遇のチャンスと思うが、現実性は乏しそうだ。 --- 参照 --- (1) http://www.major.jp/japanese/ (2) http://douspo.aurora-net.or.jp/fighters/index.html (3) http://kyushu.yomiuri.co.jp/special/research/research1126.htm (4) http://www.h6.dion.ne.jp/~k-bb/guide.html (5) http://www.koreabaseball.or.kr/ (6) http://www.cpbl.com.tw/default.asp (7) http://english.peopledaily.com.cn/200204/17/eng20020417_94228.shtml (8) http://www.peoplechina.com.cn/maindoc/html/zhuanwen/200208/zhuan66.htm 文化論の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
|
(C) 1999-2004 RandDManagement.com |