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2005.2.16 |
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ちょっと寄り道たまには、ちょっと道から外れ、映画談義をしてみよう。「カリフォルニア、ワインロード 人生が熟成していく贅沢な寄り道・・・」 2005年3月5日ロードショウの『サイドウエイ』の一言である。(1) TRAILER(97秒)を見ると、全編ワイン試飲旅行シーンのようだから、ワインマニアは必ず見に行くな、と思っていたところに、早速見たとのメールが入ってきたので余りの早さに驚いた。(2) セリフが胸に沁みたようである。 確かに、「特別な日に良いワインを開けるのではない。良いワインを開ける日が特別な日になる。」と聴かされれば、ワインマニアは泣きたくなるほど嬉しいに違いない。 しかし、ワインもさることながら、「次の一歩を踏み出すために、日常から離れた人生の寄り道 がきっかけを与えてくれたりする」との感想が記載されているから、映画としても一級品であるのは間違いないようだ。 この映画は、アカデミー賞候補にあがっており、NewYork Times での評価も高い。(3) 話は複雑なものではない。 主人公は、バツ一の、小説家を目指す国語教師。前妻は再婚したが、自らは今も独身。小説出版も上手くいかない。 この中年の余り冴えない真面目人間が、結婚を前にした友人を誘って、カリフォルニア・ワイン試飲ツアーに行く。 ピノ・ノワールにはまっているからである。 一方、友人の方は、ワインにはもともとたいした興味もなく、羽目を外して遊びたいだけの軟派。 実生活を離れて、この二人の繰り広げる珍道中が始まる訳だ。 ストーリーはともかく、この映画の特徴は、メジャーなスターが起用されていない点にある。 豪華絢爛の配役と、お金をふんだんに使ったシーン満載映画が溢れるなかで、かなり異質な作品である。 なかでも驚いたのは、主演俳優の経歴である。(4) Paul Giamatti はYale大の学長の息子で、Yale大で演劇の修士号をとっている。スターを目指し必死に頑張る人達とは違い、地味で真面目に演じ続けるタイプのようだ。 知る人ぞ知る人なのかもしれないが、普通なら主演俳優に抜擢されることはないと思われる。 米国の映画産業の懐の深さを感じる。 と言うより、このような映画を好む観客層が日本には少ないということかもしれない。 日本のビジネスマンは映画どころではないのである。 日本の観客層は中年女性に偏ってきたような感じがする。冬ソナの大ヒットも、昔の感情を呼び覚まされた中年女性が火をつけ、全世代に広がった感じがする。 そんななかで日々多忙な中年男性へのお勧めは、SIDEWAYSと言えそうだ。 もっとも、ブレイクすると、“Win a Sideways in Santa Barbara Holiday!”(5)ツアーが大流行するかもしれない。 --- 参照 --- (1) http://www.foxjapan.com/movies/sideways/ (2) ワイン・ニューズレター 144号 松井浩氏 2005年2月10日 (3) http://movies2.nytimes.com/gst/movies/movie.html?v_id=296117 (4) http://movies2.nytimes.com/gst/movies/filmography.html?p_id=26680&mod=bio (5) http://www.santabarbaraca.com/prof/sideways.php 文化論の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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