■■■ 健康の考え方 2013.8.25 [29に追記] ■■■

コーヒー愛飲家への忠告話

米国はコーヒーをがぶ飲みするとのイメージがあるが、輸入統計から見ると確か日本の3倍ほどの市場。人口を考えると、フランスほどではないにしても、日本人も結構沢山飲んでいるのは間違いないところ。
コーヒーの健康に対する影響話は結構インパクトがありそう。
そこに、MAYO Clinicによる、4万人、17年間のライフスタイル調査結果がニュースとして登場。
 「55歳以下で
  毎週28杯以上以上のコーヒーを飲むと早死。」

そうだとすると、小生はこのリスクにモロに晒されていることになる。
もっとも、紅茶、緑茶と、その類の飲料大好き人間だから、さらに加速されるのか、はたまた逆かよくわからんが。
実に愉快と言うと顰蹙モノだが、色々な見方はあろう。

と言うのは、今までは、カフェイン型飲料愛好者のご期待に応えて、都合の良いデータを揃えてもらっていたから。確か、糖尿病にはかからないとかいう話がかなり喧伝されていたし、なかには癌を防ぐという記事もあったような。抗酸化物質が見つかったとかいう話だったか。勘違いかも知れぬが。
ともあれ、こんな雰囲気が醸し出されていた訳である。
 Coffee drinkers
 who drank at least two or three cups a day
 were about 10% or 15% less likely to die
 for any reason during the 13 years of the study.
その見方に反撥を覚えた方々が生まれたのだろう。

常識的に考えれば、MAYO Clinicが対象とするような人々とは、白人の高所得層中心。そのような人々のライフスタイルを考えれば、いかにもありそうな結果。要するに、多忙で、ストレスに晒されており、実質的な仕事時間が矢鱈に長い人の寿命を測っているようなもの。それに、女性のコーヒー飲量は少なさそうだから、男女間の寿命差をどう組み込むかも難しい。
もっとも、モノは考えようで、コーヒーを飲んで気分が高揚するから、鬱的傾向にならずに済む効果も期待できよう。高所得層調査なら、自殺防止効果も結構大きいかも。・・・というのは、同じ東海岸のHarvard大学での、それぞれ数万人、3群のプロフェッショナルを対象とした調査結果が報告されているから。カフェイン摂取量の7〜8割はコーヒーだから、十分ありえそう。(当たり前だが、鬱病罹患者でのカフェイン効果期待は危険。)

巷でよく言われるのは、離婚して一人でコーヒーばかり飲んでいる人は早死という説。小生など、米国的自己主張不可欠社会では、一人の方が余程気楽だから長生きしそうに思うが、そうではないらしい。自己主張をぶつける相棒がいないと気が滅入り、不健康な生活を送ることになり、結局のところ、早死にするということか。
周囲の人達の気分を害さないよう、始終気をつかわざるを得ない文化にどっぷり浸かっている人達は長生きするのかも。

MAYO Clinic調査対象層と正反対なタイプでも調べていたら結果はどうなったのか気になるところ。食生活は相当に違うからだ。それこそ、ビッグハンバーガーかラージピザに2リットルコーラという食の愛好者多数と言われているからだ。そんな場合、コーヒーを好む人は疾病率低しとなるのでは。誰も、そんな主張に耳をかさないだろうが。

デカフェタイプの消費量が増えないので、反カフェイン派が動き始めたのだろうか。
小生はデカフェは美味しくないのでいくら言われても飲む気は湧かないが。

まあ、要するに、MAYO Clinicの専門家が警告したかったのはこういうことかナ。
 「チト、カフェイン飲料の飲みすぎが目立つゼ。
   コーヒー1日4杯は多すぎかもよ。」
これに対して、Harvardの方は、
 「1日3杯のコーヒーは、ほんの僅かかも知れぬが、
   メリットありそうだヨ。」・・・ということか。
この微妙な差が実に面白い。

問題はコーヒーではないと思うが。

(MAYO Clinic論文に関する記事)
Study Says Excess Coffee May Be Linked To Early Death. Should We Believe It? Alice G. Walton @ 9:46AM8/16/2013 Forbes
More than four cups of coffee a day puts you at risk of early death, claim experts By Jenny Hope 15 August 2013 DailyMail
(論文)
Association of Coffee Consumption With All-Cause and Cardiovascular Disease Mortality 9 August 2013 Mayo Clinic Proceedings
Association of Coffee Drinking with Total and Cause-Specific Mortality the New England Journal of Medicine 2012 May 17
Coffee drinking tied to lower risk of suicide Researchers link caffeine’s impact on brain chemicals as playing key role July 24, 2013 By Marge Dwyer, Harvard School of Public Health Communications


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