癌をもっとよく知る機会が到来 5年毎に5大陸に於ける癌疾病状況の統計情報が公開されている。その10回目にあたる今回は、290種・68ヶ国に渡る調査結果とあいなった。もちろん、治療状況[2003-2007]のデータも揃っている。 重要なのはもちろんインプリケーション。 これだけ精緻な情報が一般公開されているのだから、これから、次々と新しい見方が生まれてくるに違いなかろう。 とりあえずサイトを眺めたら、4つのコメントに集約されていた。小生の感想はこんなところ。 → IARC releases the latest global cancer trends in five continents 21 October 2013 The International Agency for Research on Cancer [WHO] ○喫煙と肺癌の相関は明らかだが。 インドの罹患率が低くて、トルコが高いのを知ると、矢張り感あり。 まあ、喫煙は歴史というか文化から来ている地域も多く、上手くコントロールして低罹患率実現との掛け声は立派だが、そう簡単にできる類のものではないだろう。 ○子宮頸癌対策が気になるゾ。 知らなかったが、サブサハラ地域は異常に子宮頸癌が多発している。それに比べれば、先進国は圧倒的に低いが、問題視している訳だ。一体、原因は何なのだろう。 尚、ワクチンは問題無しということなのだろう。 ○甲状腺癌多発地域情報には仰天。 日本でも、表参道に甲状腺癌女性患者で混雑すると言われる病院がある。罹患者が多い疾病とは思っていなかったが、なんと韓国とイタリアが突出しているそうだ。しかし、オランダが低いから、海産物食のせいでもなさそう。そうなると、どういうことなのだろう。この両国だけ甲状腺検査に注力する体質ということなら、杞憂で済むが。 ○発展途上国での調査に力を入れて欲しい。 これほど多くの国を対象としているといっても、カバー率2%と95%が同居している訳なのだから。ともあれ、広範囲な調査はイノベーションの糸口を見つけるには良い材料であり、データをどう見るか、これから登場してくるコメントに期待である。 ついでだから、日本に係わる生データを見て、感じたことを追加しておこう。 ○胃癌♂ 50-72と思った通り高い。 お隣韓国も同じようなレベル。ただ、ハワイ日系人は米国本土と同じで15。それでも、他のハワイ在住民や本土はほぼ一桁だから、高いといえばその通り。韓国系アメリカンだけが39と突出。 中国はかなり高いとはいえ、日本のほぼ半分の数字。但し、97-168というトンデモ地域がある。県名が英語なので、場所がさっぱりわからぬが、ここか。・・・四川省綿陽市塩亭県[Yanting]、江蘇省蘇州市陽澄[Yangcheng]、河北省邯鄲市磁県[Cixian] 特徴がよくわからないが、歴史があり、それなりに発展している地域と思われる。さすれば、強い酒の飲みすぎかと想像してしまうのだが。 ○肝癌♂ こちらも予想通りの高い罹患率。 広島県35、佐賀県33。もっとも、新潟県の11のように、まあまあの数字もある。 もちろん、中国、韓国、日本、タイが突出している訳である。 これは、肝硬変だけの問題ではなく、食器の加熱殺菌が普及していないための肝炎ウイルス感染が効いていると見てよいのでは。 ハワイの日系人の数字は低いから、日本人はアルコールに弱いので肝硬変になり易いとは思えないからでもある。ロサンゼルスでも、直箸食文化の韓国系は高い数字なのに、日系はそうなっていないし。 なんとかならないものか。 ○前立腺癌♂ 黒人が多いことはよく知られているが、ダラス-黒人の数字は200を越えていたのでビックリ。おしなべて米国は高く、マサチューセッツ-白人でも111とはいえ、ここまでいくのか。 ロサンゼルスの結果も示唆する点が多そう。 黒人 149 非ヒスパニック白人 99 白人 92 フィリピノ 91 ヒスパニック系白人 82 日系 70 中華系 52 韓国系 36 但し、ハワイでは差異はよく見えなくなるが。 白人 101 中華系 94 フィリピノ 93 日系 86 ハワイアン 68 日本の数字は16-47と幅があるが、上記から見て、これから増えていくことになるのだろう。 ○乳癌♀ ロサンゼルスとハワイで白人と日系人を比較すると以下のようになる。 ロ ス 85 85 ハワイ 98 87 現在の日本は34-58であり、これから増えていきそう。 (データ) the Cancer Incidence in Five Continents (CI5) Volume X website 健康の考え方−INDEX >>> HOME>>> (C) 2013 RandDManagement.com |