■■■ 健康の考え方 2014.1.9 ■■■

飲酒の影響を詳しく知りたい

正月を越すと、どういう訳か、酒を控えるかとの気分が生まれたりするもの。
しかし、それは気分であって、実際は新年会があったりするし、たいした料理をつくる気もないと、少々の摘みで酒でいくかとなったりして、実際にはかえって量が増えたりするもの。
そんな時にどういう訳かタイムリーに酒に注意せよなる話が持ち上がる。発祥元は、日本ではないが。・・・
米国では3,800万人が酒を飲み過ぎているとのこと。小生には、酒浸りとも思えないが、問題を抱える人はことのほか多いのは間違いなさそう。そんなこともあって、CDCは、アルコール摂取抑制キャンペーンを本格化させるつもりかも知れぬ。
  → "Alcohol Screening and Counseling infographic" CDC January 7, 2014

ムムー。
なんと、男性だと2〜3時間で5杯以上は飲み過ぎとくる。いくらなんでも、3時間も宴会を続ければ、その位は呑まずにはいられないゾ。温いビールで我慢し、お猪口でほんのチビチビをずっと続けるなど、少なくとも小生には、とうてい無理である。
週合計だと15杯か。女性では僅か8杯。
成長中である未成年や胎児にはアルコールは良くないのは自明だが、成人もこれほど抑制する必要があるとは。

コリャ、かなり難しいワ。
自分を呑み助とはついぞ思っていなかったが、こうなると、それは間違いか。

こんなことがつい気になったのは、8日、やしきたかじん[家鋪隆仁]さん(64才)の訃報が一斉に流れたからでもある。
小生は、お名前を耳にしたことがあるだけで、どんな活動をしている方なのかさえ分からないという世間知らず。せめてニュースだけでも目を通しておこうということ。
東京の番組には出演しないという、「関西ダンディズム」を貫いた方らしいが、要するに、本音で自分の意見を語らない文化を毛嫌いしたのだろう。その姿勢が大いにウケ、「関西の視聴率男」となったということか。
従って、"健康維持"に関しても、一般常識的生活習慣の遵守になんの価値も見出していなかった模様。
ワイン好きで「3回生まれ変わるぐらい遊びました」という人生だったとか。夜のクラブ活動を連日続け、酒豪・愛煙家をウリにしていたようだ。
当然ながら、食道癌発症は避けられまい。

2012年1月末に癌闘病を公表し、治療に専念との体裁で臨んだものの、どうにもならなかった訳だ。
それに、入院しても、自分が回復したと考えれば、医師の指導に従わず、即刻退院し、独自の健康回復方法を試みるような方だったとも言われている。
まあ、そういう生き方もあろう。人生は一回きりなのだから。

しかし、そういう姿勢を大々的に称える社会になってきたとしたら要注意。自分で意思決定することなど、当たり前の話で、わざわざ取り上げる必要性など皆無だからだ。これは自己主張の重視とは、なんの関係もなく、一種のパンク的姿勢を称賛しているだけにすぎまい。京や神戸辺りの、伝統を保ちながらそれからの脱皮を図る、本流たる関西文化とはおよそ対立的なもの。
これではわかりにくいか。
禁酒し、世間への不平不満も一切語らず、修行僧として隠遁生活する人も世の中には存在する訳で、その姿勢を見習えという話などして欲しくないのと同じこと。それこそ、禁酒法でアルカポネが力を持つ社会ができあがったように、歪んだ社会ができかねない動きだと思う。

そういえばおわかりだと思うが、連日の深酒を容認するということは、暴力的な人格に変わったり、そもそも人として生きれない状況に陥ることを持て囃す風潮を是とすることに他ならないということ。
アルコール依存症を増やしかねない動きは徹底的に叩く必要があろう。酒は大いに飲むべし、されど飲まれるなというだけのこと。

それはそれとして、一般人としては、飲酒のリスクをどう読むかは大いに気になるところ。
酒の愉しみこそ、文化そのものであり、たまには深酒もしたい訳だし。それを否定する人達の感覚は理解し難し。
従って、飲酒がどの程度の悪影響を及ぼすのか、漠然とした話ではなく、具体的な数値で知っておきたいのである。

少なくとも、酒の飲み過ぎで肝硬変から肝臓癌へ進むという説は眉唾であることはわかったことだし。胃や食道粘膜の長期的刺激を低レベルに抑えれば、乳癌をのぞけば、飲酒による発癌リスクはたいしたことがないと思われ、要するに、高濃度アルコールを避け、炎症回復の禁酒日さえ設ければそうそう飲酒を気にすることはないという気がするのだが。高濃度塩分食や、ピロリ菌の方が余程怖かろう。残念ながらこれを確認する情報が見つからない。

と言っても、量的に過ぎた飲酒だと、循環器系の問題が発生するのは間違いあるまい。しかしながら、この評価が難しいのは、脂肪の摂り過ぎ等の悪影響も重なっているから、リスクの相対的大きさがよくわからない点。
この辺りの情報も是非とも欲しいところ。

(ニュースリリース) Most health care providers don’t talk about alcohol, even when patients drink too much ─ Alcohol screening and counseling is an effective but underused health service Tuesday, January 7, 2013 CDC http://www.cdc.gov/media/releases/2014/p0107-alcohol-screening.html

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