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■■■ 健康の考え方 2014.6.24 ■■■


不都合な久山町研究結果

九大医学部は、正確性に疑問がある死亡診断書ベースではなく、剖検を駆使し、徹底的な追跡調査を行う「世界で最も精度の高い疫学調査」を推進してきた。しかも、母集団は恣意性がある公募ボランティアではなく、自動追加型の全員である。(公衆衛生学者によるデータ調査ではなく、臨床医自らが診断した結果を用いた疫学調査ということ。)
始まりは1961年。
対象は福岡市に隣接した糟屋郡久山町の40歳以上の全住民。[人口約8,400人。受診率80%、剖検率80%、追跡率99%。]

住民の方々には感謝せねばなるまい。開発しない町にして、人口移動を最小限に留めたのだから。
そして、「健康の町」として、学者推奨の食生活にも心がけてこられた点もあげておくべきだろう。

何故後者も付け加えるかといえば、この町の男性糖尿病有病率は全国平均を下回る結果が得られていないから。

言うまでもないが、疫学調査結果に基づいて、"evidence-based diet"が行われていたなら、そうなる訳がない。

"Hisayama Study"での検証なき食が勧められた可能性が高かろう。想像がつくが。

それはともあれ、この疫学調査で、何が肝要かが見えてきたのである。
糖尿病は、心血管、胃癌、認知症のリスクファクターなのだ。
胃癌という指摘には驚かされるが、喫煙、ピロリ菌、塩による侵攻が促進されるということなのだろう。食後数時間後に訪れる高血糖状態が酸化を促進すると考えれば、説得性が高い理屈と言えよう。

(note) Google Scholar→"Hisayama Study".
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