表紙 目次 | ■■■ 健康の考え方 2014.8.1 ■■■ そろそろ蚊対策が必要では シンガポールは赤道直下だが、先進国的環境下の都市国家。統計数字から見て、実質的な生活レベルでは日本よりかなり上と見てよいだろう。 しかしながら、ウイルス性伝染性病がなかなか収まらない。もちろん、手抜きの結果ではない。中央集権的強権政治体制であるにもかかわらず、注力してもさっぱり効果が見えてこないのだ。 なんらかの知恵が必要ということのようだ。 そうそう、そのウイルス性疾病だが、ヘルパンギーナ、インフルエンザ、デング熱の3つである。 順番に見ていこうか。 ヘルパンギーナだが、日本でも流行っており、もっぱら学校での感染。ウイルスが出ている状態でも、症状が収まれば早速登校してしまうから、伝染を抑えきれていないのが実情なのだろう。どこも同じようなものか。 インフルエンザは日本では、もっぱら乾燥する冬の感染症だが、シンガポールでは日本の夏がシーズン。しかも、日本とは違い、どれかの型が流行というパターンとは違い、なんでもあり。日本もいずれはそうなるのではなかろうか。 さて、残りが、注目して欲しいデング熱。 この疾病、蚊が、ヒト保有ウイルスを媒介することが判明している。ただ、その蚊の生息域は台北以南とされているので、日本では、今のところは一安心である。ただ、今後とうなるかわかったものではない。 なにせ、2014年初頭に、日本旅行から帰国したドイツ人が発症していることだし。 シンガポールでは、2013年の罹患ピークは週843件。2014年はおそらく7月第1週の891件がピークだろう。 ここまでくれば、すでに、ウイルスは蔓延していると見てよいのでは。つまり、蚊を撲滅しない限り抑えることは無理なのでは。もっと前から蚊を減らしておけばよかったのだろうが、そこまでは思いおよばなかったのだろう。 この病気の怖いところは、治療薬が無いこと。それでも、対処療法で短期間に回復するのが普通。ただ、稀に、出血性の重篤な症状を呈し死亡することもあるので恐ろしい。(免疫獲得後に、異なる型のウイルスに感染すると出血性症状が発生すると言われているが、疫学的調査結果ではなさそう。) ちなみに、お隣のマレーシアでも、2014年に入ってからのデング熱発症状況はひどいの一語につきる。 その辺りに気付いたからこんな話をしている訳だが。 死亡率は高くてせいぜい1%の疾病だろうに、かなり高い数字の地域もあるから、実際の罹患者は数倍にのぼるのでは。そう考えると蔓延状態への道を突っ走っていることになろう。 タイでも、似た状況に陥っていそう。(もちろん、インフルエンザも流行っている。) 言うまでもないが、南太平洋の島嶼も。WHOによれは、こういうこと。・・・ The incidence of dengue fever in the Pacific is rising due to increased urbanization which results in more breeding sites for the main vector, the Aedes aegypti mosquito. 蚊は、10円玉程度の大きさでも、水溜り状況が持続するなら、繁殖可能。都市化すれば、どこにでも蚊が存在するようになるということ。 見渡せば、植木鉢用皿や、排水溝の一部等、水が溜まりっぱなしの場所は至る所にある。まさに、ボウフラ養殖をしているようなもの。しかも、誰も気にかけていないのが実情。 そろそろ東京も蚊の対策を考えるべき時期では。 日本脳炎にしても、アジアでは毎年5万人罹患していると見る人もいる。そのうち、1万〜1万5000人が死亡する恐ろしい疾病である。日本で罹患者が目立たないのは風土のせいではなく、ワクチン接種で抑えたからにすぎない。なにせ、「ウィルスを持った蚊は毎年発生しており、引き続き国内でも感染の可能性がある」というのだから。 健康の考え方−INDEX >>> HOME>>> (C) 2014 RandDManagement.com |