表紙 目次 | ■■■ 健康の考え方 2015.4.19 ■■■ 「痩せ」は避けるべし 認知症患者数は2050年までに世界で1億3,500万に達すると予測されているのだと言う。高齢化社会だらけになるのだから、まあ、当然だろう。 治療方法が無い以上、発症リスクを下げることができそうなライフスタイルに変えていかざるを得ない。 そんな背景のもと、196万人を対象とした疫学的調査をしたらしい。(平均55歳の人達の20年後迄の状況を検討対象に。) ところが、どうも予想と正反対の結果が得られてしまったようだ。 そこですかさず、BBCが、'Surprise'と報道。 控えめに見た、統計分析から、こんな数字が出てしまったのである。・・・ ・"痩せ"は、△39%のリスク増。 ・"肥り"は、▼18%のリスク減。 オーバーウエイト/肥満の人々は、BMIで普通(健康的体重)の人よりリスクが低いというのだから、コリャなんだとなってこよう。 [BMIでは普通が18.5〜25.それ以上がオーバーウエイト(日本では肥満)で、30からが肥満。] 学者のコメントが面白い。 "the findings were not an excuse to pile on the pounds or binge on Easter eggs." と言うか、このような言葉を引用するところに、ジャーナリストの感覚がモロ出ていると言えよう。肥満はイロイロな悪さに繋がりますから、避けましょうネというご教訓をたれたい訳である。 重要なのは、そこではあるまい。 「痩せ」が悪影響を与えている可能性あり、と指摘すべきでは。 もっとも、"痩せ"が滅多にいない社会だとたいした意味はないかも知れぬが。 ちなみに、日本女性はBMI18以下が16%も存在する。30以上は3%でしかないが。まあ、数値を引くまでもなく、女性の姿を見てそう感じない人はいまい。 これを当人は、至極健康とか、美しいと考えているのが実情。 「痩せ」が危険なのは、常識で考えればわかる筈である。統計的にも、日本人では、BMI23未満では、痩せるほど死亡リスクが上昇することが知られている。どうして、ここらを問題視しないのかはなはだ疑問。 [尚、死亡リスクが低いのは、25〜27。日本では医者が肥満1度と通告しかねない人が含まれている。] 少食や、バランスを欠いた食で、BMI低下を目指すのが、健康に寄与すると考える人達の理屈がさっぱりわからぬ。不可欠な微量成分が摂取できていない危険性を冒してまで「痩せ」を実現して何が嬉しいのだろう。 (記事) Being overweight 'reduces dementia risk' By James Gallagher Health editor, BBC News 10 April 2015 (C) 2015 RandDManagement.com |