表紙 目次 | ■■■ 健康の考え方 2015.5.25 ■■■ ニコチンに善玉も悪玉もなかろう 面白い記事がロイターに掲載された。「ニコチン悪玉論は本当か」というもの。 表立って語ることを躊躇せざるを得ない話題を取り上げた訳である。一寸考えれば当たり前の話だが、煙草擁護者と見なされると、海外ではパージされかねないから勇気を要する。 そう、相当な昔から、「一部の研究では、ニコチンにはカフェイン同様、プラスの効果があることも分かっている。」少なくともはっきりしている項目がいくつかあるようだ。 ・心拍数上昇 ・感覚情報処理機能の向上 ・緊張緩和 ・覚醒効果 プラスにもマイナスにも作用すると考えるのが自然。 従って、「クリーンなニコチン」の可能性を追求する学者もいるようだ。 とはいえ、「明確な答えはない。科学的な観点と同じぐらい、政治的そして感情的に見解が割れている」のが実情。 と言うか、「ニコチンの悪者扱いをやめる必要がある」と主張すれば、ニコチンガムの拡販者とみなされかねないのが実情では。小生は、遠の昔に禁煙したから、どうでもよい話だが、対外的に問題を起こさないで覚醒効果が得られるという点を考慮し、ニコチンのプラス効果を重視したいクチ。コーヒー同様に、刺激による活性化は、気分が滅入る健康増進活動より、ずっと好影響を与える筈と考えているからだ。コーヒー好きの勝手な理屈と言われれば否定はできぬが。 生理活性物資なら、どんなものでも過度の摂取が悲惨な結果をもたらす可能性が高いのは当たり前だが、適度な量なら、覚醒効果が得られるなら、老人社会では悪くない話では。ボーとしている老人が健康を維持できるとは思えまい。但し、文化として生活に根付いているものに限る必要はある。そして、それらが全く体質に合わない方も少なくないから、そこは要注意だ。 煙草にしても、疫学調査結果を眺めると、老人には延命効果がないようだから、人に迷惑をかけないなら喫煙してもよかろうと考えるが、そんなことを言える状況にはない。 言うまでもないが、喫煙が健康を害するというのは、疫学調査の結果ではっきりしている。煙草を吸うような生活をしているだけで、直接的に喫煙の結果ではないという訳でもないことがわかっていると聞いたから、間違いないだろう。 しかし、科学的には、極めて質が低い論理である。残念ながら、そこから未だに抜け出せていない。研究の方法論的問題を抱えていることを意味していそう。 (西洋薬の「科学」のレベルに達していないという意味。どの成分がどの程度の摂取量を越えると、生理上の変化が表れるかを、想定作用機序仮説とともに説明できないと、薬の承認は受けられない。 従って、素人からすれば、成分でないなら、煙の微粒子が悪の根源だろうとなる。これまた科学としてはレベルは低い訳である。だが、そうだとすれば、大気汚染の都会では健康はこの先期待できそうにないということになろうか。北京で、微粒子の影響に関する大実験が行われているから、そのうち結果が報告されることになろう。) (記事) アングル:ニコチン悪玉論は本当か、喫煙めぐり誤解も by Kate Kelland 2015年 05月 21日 10:05 JST ロイター (C) 2015 RandDManagement.com |