表紙 目次 | ■■■ 健康の考え方 2015.6.13 ■■■ 蚊忌避剤 夏が暑いのは当たり前だが、どうも温帯と言うより、亜熱帯性気候の地になりつつありそう。そうなれば蚊が媒介する伝染病は避けられまい。リスクが高い場所に行くには、露出する肌に蚊忌避剤をスプレーするか、塗布するのは当たり前の時代に入ることを意味しよう。 その辺りの姿勢をはっきりさせておく必要がありそう。 それこそ、西ナイル熱上陸の前に。 米国EPAのサイトに登場する蚊忌避剤成分を見ると以下の通り。 DEET・・・500製品以上 Insect Repellent 3535・・・約45製品 Picaridin・・・約40製品 メチルノニルケトン(2-ウンデカノン)・・・1製品 レモンユーカリ油[p-Menthane-3,8-diol]・・・10製品 シトロネラ油・・・3登録製品+未登録品 イヌハッカ(Catnip)油・・・4製品 但し、CDCご推奨はメジャーな4品目のみ。他はおそらく市場では目立たないのだろう。 これをどう見るかは人それぞれ。 DEETは約60年前に米国陸軍が開発した薬剤。山行用だと、濃度95%あるいは30%品が利用されることが多そう。 (尚、カナダでは、DEETは30%迄。[12才以下を除く]効果は6時間持続。) 膨大な人数の人々が使ってきたから、当然ながら、副作用例はよく知られている。常識的にそれらを眺めれば、過敏症や子供の柔肌でなければ、たいした問題はでていないということだろう。ただ、それは米国流の発想であり、重箱の隅つつくの助さん型は全く違う意見のようだが。 まあ、日本では、ほとんど効果など期待できなさそうな製品も堂々と売られているから、蚊からの防御を本気で考えていないということ。蚊に刺されたところで、たいしたリスクではない時代のまま。 日本の製品もDEETだらけだが、その濃度は極めて低い。おそらく、濃いと、かなりの人が肌荒れ症状を呈したりするので、規制されているのだろう。 つまり、日本の製品の効果持続時間はかなり短いことになる。今迄ならそれでよかったが、この先も今のママでよいのだろうか。肌が荒れるリスクと罹患防止のメリットのバランスが変わりつつあるのでは。濃厚品認可も必要な気がするが。 IR 3535[Ethyl N-acetyl-N-butyl-s-alaninate]とは、Merck開発品で、欧州では長く使われている成分のようだ。子供用製品が多そうだから、DEETより皮膚への影響が少ないのだろうか。 PicaridinはBayer開発品のようだが、日本では売られていない。面倒なので、その理由は調べていないが。 あとは、天然品のレモンユーカリ油。 こちらは、当然ながら、有効成分含有量が明示的でない。農産物は一般にバラツキが大きいから、製品の差も大きかろう。 従って、家庭で軽やかな香りを楽しむならよいが、山行のように、確実な効果が不可欠な場合に使うにはリスクが大きすぎる。 それに、天然品のメリットが今ひとつ良く分からない。当たり前だが、天然だから安全という理屈が成り立つ訳がないのだから。 (Source) Prevent Mosquito Bites CDC June 24, 2015 Skin-Applied Repellent Ingredients@EPA http://www2.epa.gov/insect-repellents/skin-applied-repellent-ingredients Matt Heid:"Picaridin vs. DEET Which is the best insect Outdoorsrepellent?" By Matt Heidfrom Appalachian Mountain Club, Boston, MA "Insect repellents" Health Canada 2014-12-11 (C) 2015 RandDManagement.com |