表紙 目次 | ■■■ 健康の考え方 2015.12.4 ■■■ ソリャ、アスピリン効果はあるだろう さもありなんの臨床試験開始のニュースが流れた。 中身は単純明快である。アスピリンに大腸癌の発症抑制効果が期待できるというもの。 解説そのものは今一歩だが。・・・「使用するアスピリンは血栓を作りにくくする薬で市販薬とは有効成分が異なる。」というのだから。 素人でも、古典的な抗炎症機能が発揮できる薬なのだから、当然の見立てと思う。但し、対象を大腸癌を患った人に絞ればとの前提で。 癌研究のスタートは、確か、タール塗布による発癌実験の成功。これが数々の発癌物質発見につながった訳だが、わすれられているのが発癌物質無しでの単純刺激の繰り返し炎症でも癌が発生したという事実。 その後、癌撲滅の方策が色々と試みられたお蔭で、様々なことがわかってきた。 小生は、まともに対処すれば、癌患者数は劇的に減ると思う。しかし、同時に、それは難しかろうとも。 難しいといっても、お金がかかるとか、手間が膨大という話ではない。 簡単に言えば、科学的に推定した「確率」を重視する合理的な考え方の導入はそれほど簡単ではないといだけの話。 余計な一言だったか。 要するに、アスピリンが効いて当然と思う理由とは単純で、大腸での抗炎症効果が癌化を抑制する筈というに過ぎぬ。 換言すれば、長期に同一箇所で炎症が続くのは極めて危ないと見ているだけのこと。胃におけるピロリ菌による潰瘍化やウイルス感染性の長期肝炎は癌化のもとであるのは知られており、これらを防ぐだけでも、癌患者数は大幅に下がると思われる。 大腸癌も類推で考えれば、腸管の長期的炎症を防止し、そこでの発癌物質暴露量を減らすことに努めれば奏功間違いなしと言えるのでは。 まあ、後者は「ニトロソアミン暴露量を減らそう」という掛け声がかかったから、ご存知の筈。しかし、重要なのは、あくまでも様々な摂取物質の総量で考えること。配慮なく、食事のバランスを弄ると免疫能力や代謝能力が落ちかねない訳で、そんなことが発生すれば元も子もない。 あくまでも、同一発癌性物質を多量に腸に送り込む手の食事は要注意というにすぎまい。 従って、食生活によって取るべき対応が異なるのは当たり前。 小生は、平均的な日本の食生活を考えると、大腸での便の滞留時間を減らすことが重要と見る。腸管での発癌物質暴露時間を減らすということ。不消化物摂取も、便秘防止だけでなく、腸内滞留物の発癌物質濃度を下げることにもなるから効果が期待できそう。ただ、それは重要な微量物質吸収量を減らすことにもなりかねないので、ホドホドか。 簡単に言えば便秘しないこと。ただ、便秘悪しといっても、下手に下痢に至れば、これはこれで炎症を誘うから要注意である。 大腸の状況を簡単に見ることはできないので、個別対策はできにくいが、重要なのは、自分が炎症部位を抱えていそうか否かの判断だろう。炎症が発生し易い人なら、アスピリンの作用でそれを抑えて癌化抑制効果が期待できる訳だ。しかし、常時同一箇所に炎症がある訳ではないなら、その意味は薄かろう。 単にそれだけのことではなかろうか。 (日経新聞の記事) 「大腸がん予防、アスピリンの効果を調査 国立がんセンターなど」 2015/11/30 23:14 (C) 2015 RandDManagement.com |