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「我的漢語」
2014年10月30日

自鼻漢字の不可思議さ

左は、金文の「自」。顔の真ん中にある「ハナ」の象形文字である。

ヒトの鼻というより、牛の鼻に似ているような気もする。しかし、甲骨文字だとさもありなんという感じになる。穴2つと横二本が目立つ形だからだ。金文もそれからすれば、刺青をした鼻であろうと想像がつく。刺青は海人の風習だとされていたと思うがどういうことなのだろうか。

それにしても、何故に、ハナを「自」から「鼻」にしたのだろうか。基本語彙なのに、どうしてこういうことをするのかはなはだ理解に苦しむ。(余計なものを加えて「鼻」にした説得性ある理屈はみつかっていないようだ。)

ただ、「自」を部首とした漢字は僅かではあるが残っている。
なんといっても、それは臭である。
ところが、この文字もヘンテコ。誰だって、ハナの下につく「大」とはどういう意味か首をひねる、調べればなんということはない、点を省略しただけ。たった1画の手間が無駄だとされたようである。小生は、元のままにして欲しかった。言うまでも無いが、「犬」だからこその臭覚だからだ。・・・犬がえらく嫌われた時期があったのだろうか。それとも、毛沢東流のなにがなんでも簡単にせいという時の独裁者の指示があったせいか。

面白いのは、という表現もあること。自では鼻とすぐにわからないので、さらに偏を加えたのだろうか。

日本では元素Brは臭素だが、中国語では一文字の「」。室温では液体ということだからサンズイか。
」は中国では現役だが、昔とは意味が違っていそう。日本語としても、使えそうな文字である。中国人には、暖かくないご飯を食べない民族との自負があるらしいから、おそらく、冷めると臭い飯と呼んだのではないかと想像しているのだが、偏見かも。

部首では別扱いだが、「息」もここから来ているのだろう。

さっぱりわからぬ文字も多々あるが、今では顧みなくなった、なんらかの臭いを表現しているのだろう。気になったものをあげておこう。
白川論では古代の刑罰という恐ろしき字。・・・ 
古代は死臭も普通に流れていたようで。・・・
他にも、色々とあるが、・・・、etc.---。
異なる部首で探せば、まだまだあるかも。・・・𦤄

尚、知る人ぞ知る文字というのもあるようだ。小生はもちろん初耳であるが。
は慎み深い態度を示すという意味だそうである。自重を一文字化したのであろうか。

そういえば、𦤏という文字があるが、乱視だと国字の畠(白田で火田と対)と間違いそうになる。意味は知らぬというか、面倒なので調べていない。
そんな文字が気になるのは、「鼻」は、この字の下にさらになんだかわからないものがくっついているから。しかし、その実態は、「自 + 」だそうな。
は空気の流れに関係するとの話もあるようだが、あてにはならぬ。田の意義が曖昧だからである。しかしながら、結構、本質をついている気がする。物理的な呼吸器としての機能を表現したというよりは、刺青が示すような呪術的機能を持つ部位としての概念を捨てて、純粋な人体のパーツと見なしたくなったと見ることもできよう。

実際、音を示す文字が多いようだし。つまり、それは魂が発するものではなく、物理的な振動に起因すると見なすようになったのだと思う。
 鼻がつまった状況
 同上か
鼾 いびき(スーピーか)
 いびき(うるさいタイプか)
 鼻声で話すために鼻を閉ざした状況

もちろん、外観に関する文字もある。形容詞だけでもよさそうに思うが、それでは駄目な分野があtったのだろう。鼻形や色がヒトの性状を示すと考えたとすれば、納得がいく。人種的差違をこれで見分けていたと想像するにすぎないが。
 かぎばな
鼿 ごついはな
 所謂あかばなか?

まあ、正直なところ、素人にはさっぱりわかららない文字だらけ。・・・𪖐から[36画]まで色々ある。

(参照)「漢典[基本解釈/康熙字典/説文解字] 」http://www.zdic.net/

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