表紙 目次 | 「我的漢語」 2015年2月19日 二十四節気華人には、四大節日がある。なんといっても、これ以上重要なものはないというのが、「新春(春節)」。二十四節気では「雨水」直前の朔日に当たる。日本では、旧正月とされるが、例外的地域を除けば、ほとんど無視されていると言ってよさそう。他の東アジアの国とは随分と違う。 休日設定したアジアの国々 ベトナム("テトグェンダン[節元旦]") モンゴル("Tsagaan Sar[白月]") 北朝鮮、韓国 シンガポール・マレーシア・インドネシア・ブルネイ 休日設定した正教会 ロシア、グルジア、セルビア、アトス山、エルサレム総主教庁 日本の新春とは1月1日〜3日。どう見ても「冬節」である。旧歴を新暦に直しただけなので、それでかまわないことになっている。しかも、元旦の1日以外は休日だが、祝日とは呼ばない。不思議な制度である。 そう言えば、お盆(夏)も祝日ではないが、実質的な祝日扱いである。仏教を国教として打ち出したくないからなのだろうか。 一方、中華の「端午節(夏節)」は共通である。と言っても、日本では「春」であるし、「子供の日」であるから、感覚的には異なる祝日かも知れぬ。なにせ、日本のコンセプトはあくまでもゴールデンウィークのうちの一日だから。(意味があるのは、昭和天皇誕生日、メーデー、日本国憲法施行日。) まあ、多少の違いはあるとはいえ、新春と端午節の扱いは、日中で一致していると言えよう。ところが、残りの2つ、「中秋節(秋節)」と「冬至(冬節)」になると、日本では軽視される。 夏至や冬至でなく、春分と秋分が祝日となる。実質的には「彼岸」の祝日だが。 正月(冬)、春分、ゴールデンウィーク、秋分が日本人の四大節日ということか。さすれば、端午節は夏とせざるを得ないが、感覚的にはどう見ても春。 夏は、やはりお盆ということになるのでは。但し、それは祝日として認定されてはいない。仏教国の風情を出すべきではないということなのだろうか。(華人の清明がお盆に当たるのだと思われる。) まあ、こんなことを考えると、日本人には五大節日ありとなるのかも知れぬ。 それに加わるのが、八十八夜、二百十日、二百ニ十日か。数える訳原点は立春であるから、新年は1月1日ではないことを如実に物語るから、そのうち消え去るのだろうが。 しかし、二十四節気までなくなるのは寂しい気がする。日本の気候と少々違うことは否めないが、情緒感を愉しんできた伝統を象徴するような表現だからだ。2〜4月を春、5〜7月を夏、8〜10月を秋、11〜1月を冬と改めてもよいような気もする位だ。 それに、全体を知れば、24の名前を覚えるのはそう難しい訳でもないし。 と言うことで、簡単に説明しておこう。 先ずは、昼夜の長短を基準にした夏と冬の特異日(至)。次にその季節の中間点(分)。 夏日永[長]至 冬日短至 秋日夜分 春日夜分 この二至二分を春夏秋冬の各季節のピークとし、これらの中間点を各季節の開始期[立])とする。 立春 立夏 立秋 立冬 それぞれの季節を3分割すれば、24節となる。 春雨驚春清穀天 立春 (2月上) いよいよ春だ 打春陽氣轉 東風解凍→黄鶯睍睆→魚上水 (2月下) 雨水 雨水沿河邊 土脉潤起→霞始靆→草木萌動 (3月上) 【啓蟄】 春らしさ満開 驚蟄烏鴉叫 啓虫蟄戸→桃始笑→菜虫化蝶 春分 (3月下) 春分瀝皮乾 雀始巣→桜始開→雷乃発声 (4月上) 【清明】 生命の息吹の頃 清明忙種麥 玄鳥至→鴻雁来→虹始見 (4月下) <穀雨> 穀雨種大田 葭始生→霜止出苗→牡丹華 夏滿芒夏暑相連 立夏 (5月上) これから温度上昇 立夏鵝毛住 蛙始鳴→蚯蚓出→竹笋生 (5月下) 【小満】 小滿雀來全 蚕起食桑→紅花栄→麦秋至 (6月上) <芒種> そろそろ梅雨入 芒種五月節 蟷螂生→腐草為蛍→梅子黄 夏至 (6月下) 夏至不納棉 乃東枯→菖蒲華→半夏生 (7月上) 小暑 暑い日々が続く 小暑不算熱 温風至→蓮始華→鷹乃学習 (7月下) 大暑 大暑三伏天 桐始結花→土潤溽溽暑→大雨時行 秋處露秋寒霜降 立秋 (8月上) 夏が終わった厳しい暑さ 立秋忙打靛 涼風至→寒蝉鳴→蒙霧升降 (8月下) 処暑 處暑動刀鐮 綿柎開→天地始粛→禾乃登 (9月上) 白露 紅葉の季節 白露煙上架 草露白→鶺鴒鳴→玄鳥去 秋分 (9月下) 秋分無生田 雷乃収声→蟄虫杯戸→水始涸 (10月上) 寒露 冬めく気象状況の変化 寒露不算冷 鴻雁来→寒露 菊花開→蟋蟀在戸 (10月下) 霜降 霜降變了天 霜始降→霎時施→楓蔦黄 冬雪雪冬小大寒 立冬 (11月上) いよいよ冬到来 立冬交十月 山茶始開→地始凍→金盞香 (11月下) 小雪 小雪地封嚴 虹蔵不見→朔風払葉→橘始黄 (12月上) 大雪 ドカ雪で本格的冬 大雪河叉上 閉塞成冬→熊蟄穴→鱖魚群 冬至 (12月下) 冬至不行船 乃東生→麋角解→雪下出麦 (1月上) 小寒 低温化進む 小寒進臘月 芹乃栄→水泉動→雉始雊 (1月下) 大寒 大寒又一年 款冬華→水沢腹堅→鶏始乳 (C) 2015 RandDManagement.com |