■■■ 「說文解字」 卷一〜巻十四を眺める[基幹]  ■■■

全体構成はこうなっている。・・・
巻一🈠

───【通貫([數]-[十干]-[十二支])】 系
│ └───【金土(𨸏)】系

  └<基幹部(示〜口)
    │┌【卵】系
    ├┤
    │└【(忄)】系
    └─【喜】系

この<基幹部(示〜口)>だが、【通貫([數]-[十干]-[十二支])】 系で欠いている数字の"三" "八"が含まれている。
前者は≪天、地、人之道≫ということで、文字宇宙の臍の役割をしている様な取り扱い。八は分別する字義とされ、一応のポジションを占めてはいるものの、目立たない存在。
この基幹部の部首には、以下に示すように、それなりの派生部首があるが、なんといってもその数が多く、文字列分岐点として、とてつもなく大きな影響力を示しているのが"口"。

明らかに枢要な役割だが、この字義はmouthでしかない。当該部首所属文字はその観点で収載されているが、後続部首として、コンポーネンツとしての"口"を持つ、数多くの(4+8+3)類縁部首がある以上、その感覚が他文字に受け継がれているとは言い難いものがある。
呪器⇒"口">論は、甲骨文字群からの推論であるが、そうとでも解釈しないと、この多数文字群の存在の意味付けは難しそう。(構は現代活字では目視識別が無理だが別字であることは分かる。しかし、mouth字と呪器文字の違いは無い。)

ここらは、太安万侶に尋ねてみたら解決できそう。

呪器は、"氣"あるいは"魂"が発する何物かが内部密閉空間に存在しているからこそ、威力を発揮できる。(器中に契約を示す天命提示物を封入することになろう。)
一方、"口"の原義だが、mouthではなく、身体の内部密閉空間と見ることもできる。そうなると、mouthはそこからの出口であり、語義の拡張ということになる。口誦語の世界に拘り続けた倭人世界では、"言葉"こそ人のから発せられるものとの観念があるのは、そこらの古代意識を引きずっている様にも思えて来る。
「說文解字」は、文字ありきの字体書なので、文字の本来的原義たる口誦"言葉"と文字の関係については全く語れないから、反文字化風土に馴染んで来た人々の視点で眺めると、この辺りもわかってきそう。
  


_________________巻一 🈠





  玉玨气士
h
  屮艸蓐茻
_________________巻二


  


  

 @【水卵】【火心(忄)】【木喜】
  㗊品吅凵
  _龠哭_
  _冊走_
  ___
  ___
    癶步此正辵_齒足疋
    ___是彳___
    ____廴行___
    ________
________________巻三
_  (口@巻二)より
  舌𧮫只㕯句丩古 @【水卵】【火心(忄)
  _____ │
  ______ ↓
  _______ @【水卵】【火心(忄)
________________巻五
_  (口@巻二)より
  ___  @【木喜】
  ____  │
  ____  │
  可兮号亏_  ↓@【木喜】
  _____  鼓豈
     

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