■■■ 「說文解字」卷一〜巻十四を眺める[集]  ■■■
重畳字を眺めていると「說文解字」のただならぬ拘りが見えて来る。
隹⇒雔⇒
     ⇒雦

まさに細部に魂が籠められているといった印象あり。
 羽…鳥長毛
 鳥…鳥尾禽緫名
 隹…鳥之短尾緫名
 雔…雙雙鳥
  隻…隹一枚
  雙…隹二枚 ⇒[おそらく後世作出]双…(非収録)
    䨇…(非収録)
 雥…羣鳥
  雧…羣鳥在木上 ⇒[おそらく後世作出]集…(非収録)
 雦…(非収録)

楷書フォントで書いているので、視覚的情感は伝えることができないが、"集/雧"は圧巻。甲骨から始まり、すべて鳥が木上にあるデザインなのが一目でわかるからだ。小生は、三羽とは千鳥曰雦を意味していると想定する。(鳥數 一鳥曰佳 二鳥曰雔 三鳥曰朋 四鳥曰乗 五鳥曰雇 六鳥曰鶂 七鳥曰鳦 八鳥曰鸞 九鳥曰鳩 十鳥曰𪅂 [「天中記」卷五十九])
尚、"羣"の意味がわからないと感じたなら、自分の頭が、小学校教育で、単純暗記しかできなくされたと考えた方がよい。
【ご参考】甲骨 金文 古文 籀文 篆文のフォントは2016年に公開されている。(この「白川フォント」未インストールの場合、文字毎の検索見字になる。)

・・・などと思い巡らすと、"集[隹+木]"未収載方針ブレ無しには恐れ入ってしまう。本書を辞書的に使うなと云う事か。

"集"は字体解釈文で用いられているし、独立して頻繁に用いられている文字。
にもかかわらず、部首ではないし、"隹"部や"木"部の所属文字でもない。
集…(非収録)
   [口部]:噍
   [衣部(衣+集)]:五彩相會
   [金部]:鍱
   [糸部]:合
   [叙]"靡不悉集"
𮦂…(非収録)
雧…収録

重畳字を検討した際には触れなかったが、合字に際する文字内配置についても、しっかりと検討していることがわかる。そんなことを、くどくど説明する要無しなのだ。(科挙予備校の授業で質問してくる様な輩は、まともに予習できる様になってから出席せよということになろう。)
㮅 集…(両者非収録)
椎…[木部]:擊 齊謂之終葵[木+隹]聲
小生は、雧の木種は椋だが、これは木文字ではないと考える。一方、木文字である椎は樫と見る。こうした推定には、なんら難しい点はない。
     


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