■■■ 「說文解字」 卷七を眺める[7]  ■■■
巻七には「五行傳」が引用されている。
  疴 時卽有口痾

五行と言っても、相勝・相生・相沴といった論理が当初から存在していた訳もなく、儒教勢力がからむ様になって、様々な理屈が生まれたと見てよいのでは。
従って体系化は、儒学者の劉向:「洪範五行傳論」からということになろう。
他には、「漢史」五行志。以後の史書にもこの類の篇が組み込まれることになる。
さらに、「尚書」の洪範篇を五行的に整理した伏生:「鴻範五行傳」があるそうだ。これからの引用ということになろう。

ただ、何故にこの様な部分を引用しているのか、はなはだわかりにくい。
多分、社会的に関心が高い人災とも云うべき病を表す文字なので五行を持ち出したのだろう。
ただ、五行はもともと天変地異の本質を語るための理屈であり、そこに適合する病なので、現代人の考えるsickとは全く異なる意味なので注意した方がよい。
例えば、「漢史」五行志の<下人伐上之痾>での事例に入っているのは、性転換、死者再生、角が生える等々の奇譚。
(要するに、災異現象分類の1つが痾。ただ、概念としては、ありふれたsickも包含していると思われる。)
それを考えると、有口痾とは、言語不自由で阿的嬌声を発する小児を指していると考えるのが自然。おそらく、発達障害だろうが、自閉症スペクトラム症であることが多く、親が気付けば天才的能力を発揮することになるので、奇譚として人々の記憶に残り尾鰭がついてしまいがち。

言之不從 是謂不乂 厥咎僭 厥罰恒暘 厥極憂
時則有詩妖 時則有介蟲之孽 時則有犬禍 時則有口舌之痾 時則有白眚 白祥
惟木沴金  [引用@「宋書」志第二十一 五行二]
  


日旦倝㫃冥晶月有朙囧夕多毌𢎘𣐺𠧪齊朿片鼎克彔禾秝黍香米毇臼凶朩𣏟麻尗耑韭瓜瓠宀宮呂穴㝱疒冖𠔼冃㒳网襾巾巿帛白㡀黹 

│ 巻六

├┬┬┬┬┬┬┬─────┐
②②②②②②②②     │
東林才叒之𣎵生乇     │
├┐┌┬┘├┬┬┬┬┬┐ │
③③③ ③③③③③③③ │
束帀出 𠂹𠌶華𥝌稽巢桼 │
│┌───────────┘
││巻七
│├┬┬┐
││││├┬┬┐
││││①①①①
││││𢎘𣐺𠧪齊
│││
│││
││├┬┬┬┐
││││││├┬┬┐
││││││①①①①
││││││片鼎克彔
│││││
│││││
│││││├┬┐
│││││②②②
│││││秝黍香
││││
│││𣏟
││├┬┐
││①①①
││尗耑韭
│├┬┐
①①①
瓜瓠宀
│  ├┬┐
│  ②②②
│  宮穴冖
│  ││├┬┬┬┬┐
│  ③③③③③③③③
│  呂㝱𠔼冃㒳网襾巾
│   │     ├┬┐
│        ④④④
│        巿帛㡀
│          ││
│          ⑤⑤
│          白黹


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