■■■ 「說文解字」 卷十二を眺める[14]  ■■■
巻十二には風変わりな引用がある。・・・
:「方言」云:"無齒杷" 从手別聲
  ⇒揚雄[前53-18年]:「輶軒使者絕代語釋別國方言」
"𣏌[無齒為杷]宋魏之間謂之渠朳[今江東名亦然諾猪反]謂之渠䟽[語轉也]"
     @「方言」卷第五  …捌=朳[:𡊅具]=𣏌
            𣏌:收麥器  𡊅:掃除

他巻での方言記載では、出典は明示していない。・・・
-----卷八-----
:氍毹 毾㲪 皆氊緂之屬 蓋方言 从毛瞿聲
-----卷十一-----
:涫溢也 今河朔方言謂:"沸溢爲涾" 从水沓聲

<方言>の話は、ここでは避けよう。誤解を与えず書くことはできそうにないので。
例えば、欧州で言えば各国語と同じで、漢字表記語であるためそう書かないだけのこと、としても理解できかねるだろう。と言っても、欧州はそれぞれ独立国であるのが普通だが、中華帝国ではそれは絶対的禁忌。前者は言葉の違いが独立を後押しするが、中華帝国では逆。話語を中央の官語にすれば独立化が防げるのではなく真逆。例えば、中国共産党主席の言葉は肉声では<方言>であるが、表記は普遍的な漢語。もっとも習近平主席は初の官語話者であり、海外から見れば、それも独裁強化一途の流れに映るかもしれないが、国家の枠組みによる一枚岩体制の強化には決してプラスに働かない。わかりにくいパラドックスが存在している。

     


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