↑ トップ頁へ

2000.6.14
 
 


家庭用パソコンのインターフェース問題…

 家庭内ネットワークの曙光が見えてきた。
 そうなると、家庭内ネットワークのメリットを感じるような、魅力的な家庭用機器開発が重要になってくる。家電機器開発スキル持つ日本企業の出番が来たといえよう。しかし、その実力を発揮するためには、ネットワークの核となるパソコンのインターフェースの標準化が不可欠だ。

 現在の所、パソコンには様々なインターフェースが用意されている。
 ・主にキーボード、マウス、モデムに用いるシリアル接続のRS-232C(RS-422:Mac)
 ・主にジョイスティク、TA、スキャナー、デジタルカメラ、(キーボード、マウス)に用いるシリアル接続のUSB
 ・主にプリンタに用いるパラレル接続のセントロニクス準拠(双方向の場合はIEEE1284のECPあるいはEPPモード)
 ・場合によって、これに赤外通信用のIrDA
 ・さらにオプションとして、MO、CD-R、ハードディスクに用いるパラレル接続のSCSI-2
 ・LAN規格で、場合によってはCATVモデムやルーターに接続する10BASE-T/100
 ・最近のAV仕様のものは、さらにデジタルビデオカメラ入力用の転送速度がとれるシリアル接続のIEEE1394
 ・この他に、ディスプレー接続端子やオーデイオ端子
 ・ポータブル用ならこれに加わるのがPCカード
 どう考えても多すぎる。こうした多数の規格に対応すればコストは嵩むし、とてつもない配線の山になりかねない。当然、すべてを揃えたパソコンはほとんどない。必要なら、所有者が取りつける仕組みなのだ。これでは、一般人向け家庭内ネットワーク化の動きはなかなか進むまい。

 家庭内ネットワークを創出するつもりなら、家電品で慣れ親しんだホット接続可能な規格での統一は不可欠だ。データ転送速度が低いRS-232Cや、パラレルでケーブル処理が面倒なSCSI-2は不用といえよう。(SCSI規格はFast SCSI、Wide SCSI、Ultra SCSI、Ultra SCSI(Fast-20)、Ultra 2SCSI、Ultra 2SCSI(Fast-40)と相変わらず進歩し続けている。しかも、廉価だから、相変わらず健在である。)
 ところが、こうした動きは極めて弱い。家庭のオフィス化の潮流を大切にするメーカーが多いからだ。今迄のユーザーはホーム・スペックを嫌う。会社の仕事を家に持ち込むので、できるかぎり会社のパソコン類似品を支持する。この顧客層を大事にする限り、古くからある規格はなくなるまい。

 しかし、この顧客層主体の時代がもうじき終わる。

 「使いづらい機器のようだがパソコンを購入せねばなるまい。」と考える人が、99年から急増し始めたからだ。触れる機会がなかった人達もパソコン購入を開始した。ワープロからパソコンへと雪崩うつ移行が始まる。インターフェース規格を一気に変えるチャンスが到来したといえよう。

 このチャンスを生かし、新しい顧客層に基本インターフェース規格を明確に打ち出せないと、家庭内ネットワーク構想は画餅で終わりかねない。  周辺機器接続規格がバラバラでは廉価な機器の普及は無理だ。統一規格に沿った魅力的な周辺機器の登場でしか、家庭のネットワーク化は進まない。従って、標準インターフェース化は極めて重要である。

 こうした規格として、100Mbps以上で高速転送可能なIEEE1394規格が位置付けられた筈だ。しかし、現実に、積極的に推進しているのは、まだ一部の企業である。熱心なのはライセンサーたるアップル、ソニーと、特許コンソーシアムに参加している、コンパック、東芝、フィリップス、松下位だ。ライセンス料やドライバー問題もあるが、根本思想の違いがある。ネットワークをコンピュータ相互通信の場にしたい企業は、AV機器との融合が進みやすいIEEE1394規格に対しては消極策をとる。
 本来、数メガといった低速場面ではUSB1.1とし、IEEE1394とすみわけできるのだが、コンピュータ系企業はIEEE1394と競合する120Mbps以上の高速データ伝送規格USB2.0の開発に期待をかけている。こちらは、インテルとマイクロソフトを基幹に、コンパック、NEC等がコンソーシアムを組んでいる。できれば、すべてを統一したいと考えているかのようだ。

 どちらが標準になろうと、一番重要なのは、普遍的なインターフェースに接続することで威力が発揮できる廉価な魅力的周辺製品を登場させることである。インターフェース自体に意味がある訳ではない。インターフェース議論をするより、誰でもわかるようなメリットがある、高速インターフェース接続機器を早く生み出す方に注力して欲しい。

 一般論では、競合によって産まれる技術進歩は大歓迎だ。しかし、家庭用ネットワークの端緒が生まれそうな時期に、企業の思惑で、故意に進展を遅らせたる行動は避けてもらいたい。


 デファクトスタンダードの目次へ>>>     トップ頁へ>>>
 
    (C) 1999-2004 RandDManagement.com