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2000.8.9
 
 


浸透し始めたcdmaOne…

 携帯電話の規格についての話題が華やかだが、規格を決めるのは通信インフラを持つキャリアということになっており、メーカーとして力を発揮する場面は限られていると思いがちだ。
 通信インフラは一国の政治・経済の生命線でもあるから、単純に技術だけでベストの規格が選定されるものでもないから、メーカーの研究者としてはどうしても、規格が決められたら指定された仕様の範囲内で製品を急いで開発するという、「官納」体質に陥る。この体質は悪い、と考えていても、ほかになす術がないからやむを得ないという人が多い。
 しかも、携帯電話市場の急拡大やiモード登場により、世界の先頭を走っている気分になり、他のモバイル規格の浸透を軽視しがちである。受身体質を続けると、規格の孤立化の兆候に鈍感になる。気付いた時は遅いのである。

 現在もてはやされる、現行のインターネット接続が将来も本当に優位な規格といえるのか、熟考する必要があろう。
 外出先からの通信の一番の問題は、アクセスポイントに通信トラフィックが一挙に集中することだ。全員がアクセスしたらシステムは一体どうなるのだろうか。インターネット網、膨大なアクセスポイントを持てるという利点を生かせない可能性が高いのである。

 新市場についても、目を向けておくべきだ。

 モバイルという定義は曖昧である。オフィスや家庭に光ケーブルが入れば、構内・宅内無線LAN接続は簡単になる。こちらは、全く別の規格であもかまわない。工場や家庭での「携帯化」市場も立ちあがってくるだろう。
 これ以外にも重要なセグメントがある。車である。
 こちらは、巨大メーカーが存在しているから、キャリアの力で規格など決めようがない。必要に迫れば、キャリアの物理的インフラを借用して、実質的な新キャリアを構築する可能性さえあるからだ。

 ---以上は、あくまでも一般論だが、これも杞憂とはいえなくなってきた。「車」が動きはじめた。ついに、2000年7月末に、FordとQualcommが音声、エンタテインメント、インターネット・アクセス、安全サービスの車向けモバイル情報通信のベンチャーを設立すると発表したのである。(http://www.ford.com/default.asp?pageid=106&storyid=931)
 2001年からcdmaOne方式で行うという。
 車は世界商品だ。最大市場の米国でcdmaOneの導入が進むなら、各国市場でも同一規格優先となろう。右ハンドルと左ハンドルの問題とは違い、モバイル規格は車事業の戦略的根幹だから、市場に合わせた対応は避けたい。cdmaOneの地位は極めて強固になったといえよう。すでに、米国日産は高級車セグメントで、すでにこの構想に参加しているという。


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