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2000.8.19
 
 


DVDビデオ標準の後進性…

 規制撤廃を進め、横並び業界構造を変えよ、という元気の良い主張をたびたび耳にする。しかし、声は大きくとも、現実の変化は微々たるものだ。既得権益の蜘蛛の糸にからめとられて、何処も動きが鈍いからだ。苛立つ人が増えている。

 しかし、こうした状況は驚くことではない。独裁国でなければ、万国共通の当然の現象だ。
 日本がとりたてて、既得権益重視という訳ではないと思う。
 既得権益を持つものが力を持つのは、政治力学の原則である。従って、変革の成否は、多数派形成の知恵があるかどうかといえよう。多数派形成手順で勝負が決まるのだから、この手順を考え無いで、変革の動きが鈍いという批判を繰り返しても徒労に終わりかねまい。

 実際、規制撤廃ですべてで進んでいるかといえば、そうでない場合もある。マルチメディア時代の花形、メディア産業界など典型だ。グローバル標準による規制緩和に邁進しているように見えるが実態はそうともいえない。
 DVDビデオソフトは、米国で購入すれば、実際の売価は10ドル台が多い。高いといっても、せいぜい20ドル台だ。ところが、日本で同じタイトルの価格は、倍どころか4倍近いものさえある。公正取引委員会には並行輸入を妨げてはならないという明確な方針があるから、本来は輸入可能な筈である。しかし、DVDはCDとは違う。米国のソフトは日本市場向けの機器では動かない。機器とディスクに地域コードの鍵がついていて、利用できない仕掛けを組み込んでいるからだ。
 インターネットで消費者が直に海外と取り引きを始めている時代なのに、産業界はローカルな事業の枠組みを温存したいのである。

 しかし、このようなパッケージ・ソフトの時代はいずれ終わる。このような場面で、ゴタゴタするのは時間の浪費といえよう。新しいエンタテインンメントの仕組み作りが進んでいるのなら、多少の後ろ向きの標準があってもしかたあるまい。


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