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2000.10.23
 
 


電子マネーICカードの標準は決着…


 90年代初頭、電子マネーICカードの話題は豊富だった。進取の気性があり、メーカーも乗り気で、様々な議論がなされた。ところが、日本経済が不調になり、金融機関は電子マネーの話しどころではなくなり、話題は急速に萎んだ。ICカード利用のリーダーシップを発揮しようという企業は、90年代、登場しなかった。

 その一方で、ICカードではなく、既存磁気カードのインフラ強化の試みは盛んに行われた。
 バンク・カードを小売現場決済に使わせようという試みが強行された。確たるニーズがあるとも思えないのに、カード保持者への十分な告知もなしに始めたのである。ICカード化の動きが余りに鈍いため、焦っているとしか見えない。
 実際、アジアの国では、公共交通でICカードが使用されているのに、日本は正反対の動きだ。2000年になっても、旧態依然たる磁気プリペイドカードの普及を強力に推進している。「眠りカード」や「記念用の未使用保存」からの収益効果を期待しているとしか思えない。

 このような動きだけを見ていると、電子マネーICカードは見捨てられたと考える人もでてくるのではなかろうか。

 実際には、この領域は標準が確立しつつある。
 ベルギーのバンクシスが発行している、プロトンである。ベルギーでは完全に普及したと言ってよいだろう。しかも、ビザとアメックスが参加し、ついにプロトン・ワールド・インターナショナルを設立した。こうなると、欧州発の電子マネーが世界を席巻するのは間違いなかろう。

 日本で、皆が注目していたモンデックスはマスター・カードが担いでいるから、相変わらず有力対抗馬の地位にいる。しかし、勝負はついてしまったといえよう。機能が限定的なプロトンの方が、銀行にとって魅力的だからだ。

 プロトン普及の鍵はベルギーの銀行が無料でプロトンを配布した点にある。ICカードは高額だが、将来を考えれば普及促進すべしと決断、大型投資を行った。このため、90年代後半に急速に広まった。
 日本の銀行は、インターネット取引を始めた一方で、相変わらず経験者を何人も店頭に張り付け、顧客に挨拶させるサービスを重視している。ICカード化投資はなるべく後回しにしたいのだろう。


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