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2002.11.28
 
 


ICカード標準化が錯綜する理由(2) …

 非接触型(近接)ICカードには「無線13.56MHz(ISO14443)」という国際規格がある。

 正式には2タイプ(A,B)あり、プロトコル規格(ISO7816)は共通である。広く使われているのは、このうちの片方(A)の、Mikron(フィリップスが買収)が開発した「Mifare」である。接触カード類似の仕組みで、CPU無しでも機能する簡単な構造である。すでに発行量は2億枚規模とされる。(http://www.semiconductors.philips.com/markets/identification/products/mifare/)
 欧州はICカードが普及しているため、欧州企業の実績は圧倒的だ。[欧州はクレジットカード偽造問題を抱えていた上、政府・金融機関が普及に積極的だった。]
 フィリップスは技術を独占せず、インフィニオン(旧Siemens)と日立にライセンス導出している。この方針が「Mifare」の標準化を後押ししたのはいうまでもない。

 もう片方(B)は、複合化・通信量増大に対応すべく作られた規格だ。モトローラを中心に、STマイクロエレクトロニクス、NEC、インフィニオン、等が積極的に推進しているし、富士通はFRAM搭載バージョンで参入している。(http://www.nec.de/_PDF/cless101297.pdf. http://magazine.fujitsu.com/vol53-2/paper05.pdf)
 こちらは、日本企業数社がチップ提供体制を整えているから、住民基本台帳用途(NICSSフレームワーク)のベースになろう。(http://www.nicss.gr.jp/general/point_f.htm)

 一方、ソニーの「FeliCa」も「無線13.56MHz」に該当するが、追加タイプ(C)となる。情報処理速度は速いが独自プロトコル仕様である。海外展開は香港・シンガポール・インドと進んではいるものの、欧米での利用が進んでいない。このため、インフィニオンと共同開発体制を敷いているが、どうしてもローカル規格にみなされがちである。
 発表された発行数を合計してもまだ2500万枚程度であり、電子マネー「Edy」の目標にしても5年以内3000万枚である。標準化の観点から見れば1桁下の数字だ。(http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200012/00-1225/)

 ・・・というような検討が、標準化の典型的議論だ。

 しかし、事実上3規格並立だ。論議を深めたからといって、一本化に繋がることはない。生産的な議論とは言えまい。 

   過去記載の
   → 「ICカード標準化が錯綜する理由(1)」へ (20021127)


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