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2003.1.17
 
 


ケータイ向け組み込みLinuxの挑戦…

 2003年1月、MontaVistaが家庭用エレクトロニクス機器向け組込みOS、Linux Consumer Electronics Editionを発表した。同社には、ソニー、松下、東芝アメリカ、ヤマハが出資している上に、顧客企業にNECが含まれている。(http://www.montavista.co.jp/news/2003/03jan09.html)

 LinuxはもともとリアルタイムOS向きに考えたものではないから、家庭用エレクトロニクス機器向け組込みOSの歴史は浅いが、オープン化キャンペーンのお蔭で挑戦的な動きが起きているといえよう。
 すでに、ソニーはチャンネルサーバ「CoCoon」に搭載したというし、NECはケータイで製品化するようだ。
 MontaVistaによれば、StrongARMや、その次世代にあたるインテルのXScaleプロセッサでの最適化に注力しているという。ということは、ケータイ/モバイル製品/車搭載用OSで主要な地位を確保しようとの目論みだろう。
 特に、ケータイは機能が増えたため、通信基本機能を担うベースバンドプロセッサ、とマルチメディア処理を担うアプリケーションプロセッサのダブル搭載が不可避となっており、最初に搭載されるOSが主導的地位を占める可能性があるため競争が熾烈化している。
 プロセッサも、インテルのXScaleの対抗品として、TIのOMAP(ARM+自社のDSP)や、日立のSH-Mobileがケータイメーカーに食い込んでいる。特に、後者はOSとしてμITRONを採用していることで知られている。

 ケータイの「スマートフォン」化に合わせ、ケータイ業界の雄はOSとしてSymbianを用いる方針で動いてきた。これに対して、ウインドウズ側はWindows Powered Smartphoneで対抗してきた。
 一方、PDAの主流OSはPalmだが、これを拡張してStrongARMをサポートする動きもある。Palmと競ってきたWindows CEはWindows Pocket PC Phone Editionを対抗品として提供している。この熾烈な競争に、Linuxが入ってきた訳だ。

 完全な乱立状態である。業界4位のサムスン製PDAフォンがビジネスウイークの2001年ベスト商品として取り上げられ、競争が一気に激化したといえよう。(http://www.samsungelectronics.com/news/telecommunications/com_news_1008543433734_001500.html)

 ケータイだけの問題なら、標準といってもそれほど深刻な問題ではないが、PDAと機能が融合してくると話しは変わる。市場は大型化するし、ソフト開発はメジャーなOSベースに集中するのは間違いない。マイナーなOSは消え去る可能性が高い。
 パソコンでは、プロセッサーはインテルのアーキテクチャー、OSはマイクロソフトDOS(ウインドウズ)に標準化されたのと同じことがおきそうである。

 ウインドウズの教訓を生かせば、オープンなLinuxでの統一というのは理想だが、この分野ではLinuxは過去の資産がほとんど無い。
 特に、ケータイで力を発揮している台湾系のODM(オリジナル設計製造業者)はゼロからの出発になりかねない。ウインドウズが強いのは、こうしたコミュニティへの教育投資を長らく行ってきたからだ。Linuxを本格的に採用するということは、新しい開発コミュニティをほとんどゼロから立ち上げることになる。
 日本企業にそれだけの、パトスがなく、自社周辺で細々と進めるなら、この分野でのLinuxのマイナー化は必至といえよう。


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