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2003.10.25
 
 


自動車規格の戦い (6:eSafety)…

 メディア&エンタテインメントの領域での角逐を簡単に説明した。
   → 4:階層構造
   → 5:欧v.s.米

 この標準化競争は、自動車産業外がからむ。自動車独自規格に固執すると、産業発展の阻害要因にもなりかねない。市場を切り拓くためには、できる限りオープンにして、新サービスが立ちあがり易くする必要がある。
 標準化競争がこのような方向に進むような仕組み作りが重要といえよう。

 一方、自動車全体の技術構造を変えるような、車内LANの規格化も動き始めている。LANが階層構造で構築されるようになってきたため、高度なネットワークの導入が進んでいるのだ。

 このきっかけを担うのが、「Safe-by-Wire」である。

 すでに述べたように、欧州は安全性向上のために車のインテリジェント化を促進させてくる。ITSのキラーアプリケーションとして、「eSafety」を考えていると言ってもよいだろう。
 こうした方向に進むためには、いくつかの規格を標準化しておく必要がある。そのなかで、エアバッグ・システムの電子化の中核となるプロトコル「Safe-by-Wire」は、重要な地位をしめそうなのだ。

 この潮流の一端を、2003年10月幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2003」で見ることができる。ルネサステクノロジ(展示会登録は三菱電機)が「Safe-by-Wire」の仕組みを展示したのである。
 (http://61.195.172.240/ctec3/asp/view/visitor/f-visi_webmaga-detail.asp?d_id=3116&st=1&la=0)
 フロント/サイド/リアのセンサと多数のスクイブを配置し、各座席/サイド等のエアバックが開くシステムである。コンパクトなヘッダで応答性が高いプロトコル「Safe-by-Wire」を前提にした提案である。
 単純に言えば、次世代エアバッグシステムである。確かに、現在はエアバッグだけだが、安全装置全体を考えると、安全ベルトや操縦などの様々な部分と関係してくる筈だ。安全系ネットワークとして発展していくべきものといえよう。
 そして、数多くのセンサと接続するから、通信の多重化でケーブルを減らすことが、重要となる。極めて基本的な分散型の通信技術が登用されることになる。次世代の基本技術といえる。

 実は、この規格でも対立がある。

 「Safe-by-Wire」自体はSafe-by-Wire Consortiumが普及させている規格である。ネットワーク/半導体ベンダーのPhilips Semiconductorsが中心となって、安全機構ベンダー(Autoliv Inc., Delphi Automotive Systems[Delphi Delco Electronics Systems Division], RW Automotive)とエアバッグ起動部品ベンダー(Special Devices, Inc.)と一緒になって作り上げた。
 (http://www.semiconductors.philips.com/acrobat/other/automotive/safe-by-wire_bus_spec_1.0.pdf)

 一方、この競合規格がBosch/Siemens/Temicが進める「BST」だ。こちらも、エアバッグ用としてよく使われている。

 この分野は、市場がすでに開いており、システムそのものが高価だから、多種の規格が乱立する方向には進みづらい。
  [但し、BMWは独自仕様「Byteflight」。Motorola/TRWは「DSI」を提案している。]

 標準争いはあるものの、Philipsが「新PLANET版」を出し、「BST」と一本化の流れが起きたように見える。


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