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2003.11.5
 
 


電子書籍規格の戦い (1:期待感の高まり)…

 2003年9月、電子書籍ビジネスコンソーシアムが立ちあがった。出版社、印刷業、書店、デバイスメーカー、配信業等の、業際コンソーシアムである。
 これだけ包括的に集まったのは初めてのことだ。
 期待が盛り上がっているといえよう。

 「電子書籍ビジネス調査報告書2003」(インプレス)によると、国内における電子書籍の2002年の市場規模は約10億円だ。書籍市場の0.04%に相当する数値である。
 2003年6月現在で、電子書籍の全刊行点数は約25,000点、毎月約1,000点の新刊が発行されてるという。
 市場規模は小さいが、成長率は40〜60%と極めて高い。書籍全体がマイナス成長だから、注目を浴びるのも当然だろう。
 根拠は知らないが、2005年の予測として、野村総研は180億円、Adobeは540億円、との数字を出したという。これで、騒がしさが一層増したようだ。
 (http://internet.impress.co.jp/books/03015/pdf/03015.pdf)
 [注:これらの予測はプロモーター側の見方である。2002年の予測値は30億円だった。]

 市場が開けそう、との期待は、こうした数字もさることながら、電子辞書が極く当たり前の商品になった点が大きい。一般消費者が紙ベースではなく、当然のようにデバイスを購入する文化的基礎ができあがったからだ。
 あとは、見易くて便利な表示さえ可能になれば、電子書籍の普及は間違いあるまい。
 しかも、小型液晶ディスプレーの表示能力がついに普通パソコンの15インチディスプレーの解像度「XGA(1024x768)」に到達した。ここまでくれば、印刷物とほとんど変わらない。
 電池で長時間駆動が可能になってきたし、軽量薄型化もかなり進んだ。
 こうなると、電車の中や喫茶店でのデバイス使用は何の問題もないし、家のリビングや寝室でくつろいで読むこともできる。
 市場拡大の基盤は整ったと言える。業界が騒がしくなるのも当然だ。

 しかし、問題は電子書籍の規格である。

 電子書籍業界最大手サイトを見てみよう。

 「電子書店パピレス」には、200を越す出版社からの1万点以上の書籍が並んでいる。毎月のダウンロードはすでに32,000件に達しているそうだ。
 (http://www.papy.co.jp/ )
 ところが、このサイトが対応している規格は雑然としている。一般用のテキスト、HTMLに加えて、Adobe PDF、Adobe eBook、XMDF、蔵衛門が並んでいる。
 誰でもが知っているインターネット販売の「楽天」のデジタルコンテンツダウンロードサイトも、同様である。

 本格的に普及すれば、このような規格乱立が何時までも続くとは思えない。
 市場が本格的に開き始めれは、規格統一の動きは避けられまい。


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