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2003.11.18
 
 


電子書籍規格の戦い (7:電子ブックの反撃)…

 2003年11月13日、ソニーがオンライン電子出版事業会社 「パブリッシングリンク」の設立を発表した。
 [出資: ソニー(41.03%) 講談社/新潮社(各15.38%) 大日本印刷/凸版印刷(各10.26%) 岩波書店 角川書店 光文社 東京創元社 文藝春秋 筑摩書房 ノヴァ 読売新聞 朝日新聞 ソニーマガジンズ]
  (http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200311/03-1113/)

 ソニーが以前から進めている、著作権保護技術「マジックゲート」を武器にしたネットワーク事業構想が、この分野でも動き始めた、と言える。
  [実体的にはメモリースティック(http://www.memorystick.com/jp/msnews/msupdate/20_1.html)]

 電子書籍規格は「ブロードバンドeブック(BBeB)」だという。

 といっても、これだけでは特別な動きを始めたとは言い難い。ソニーは以前から、直径8cmのCD-ROM専用機、「電子ブック」(ソニーの登録商標)用にEBXA/S-EBXA規格を使っていた。(ソニーの「データディスクマン」のことである。尚、EBXAは日本用/海外用のEB/EBGの統合版でもある。)
 EBXA規格は、辞書/事典を中心とする電子ブックの使い勝手を良くするように、検索等の仕組みが含まれており、複雑である。その上、機器性能に合わせ、画像は制限されていた。
 このため、ブロードバンド化に合わせ、大幅拡張を図ったnetEB仕様にまで進んで来た。XMLをとり入れた規格であり、書籍規格を世界のデータ標準に合わせた、といえる。
 オンライン電子出版事業開始といっても、すでに存在している電子ブックの資産を継承せざるを得ないだろうから、EBXA路線の延長上で進めると思われる。
  (http://www.ebxa.gr.jp/faq/pdf/neteb.pdf)

 要するに、SDカードによる著作権保護システムの「シグマブック」が登場した以上、ソニーも真正面から対抗するしかない訳だ。
  → 4:シグマブックの挑戦

 ソニーのサービスは、まずはパソコン閲覧が中心のようだ。しかし、独自の専用端末も、サービス開始と同時に、登場するという。
 2006年度には会員数10万、売上高20億円で単年度黒字化し、2008年度には累積黒字化する事業計画だという。
  (http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000002&sid=aplfGhqx6xrs&refer=topj)

 掛け声だけでなく、本気でこの目標値を実現するつもりなら、辞書/事典類から一般書/漫画を販売主体にする必要があろう。
 そうなると、2004年には壮大なプロモーションが始まる。シグマブックとの競争も予想される。
 機器能力と価格によっては、競争が市場を活性化させ、電子書籍端末普及が始まるかもしれない。米国と違い、日本では漫画人口は大きいから、廉価ならヒットしてもおかしくないからだ。
 さらに、電子ペーパー型読取機が登場するようになれば、電子書籍市場は一気に開けるかもしれない。


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