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2003.11.30
 
 


動画規格の戦い (3:MPEG-4形骸化)…

 ケータイで普及が進まないのなら、「MPEG-4」による標準化は無理かもしれない。

 これから始まる第3世代ケータイでさえ難しいのに、すでに動いているブロードバンドのストリーミング分野で標準化ができるとは思えないからだ。
 RealOneやWindows Mediaといったプレーヤーで十分美しい画像が見れるようになったのに、急いで「MPEG-4 AVC」を導入したい利用者が増えるとは考えにくい。
 「MPEG-2」より圧縮率が高いといっても、DVDディスクにテレビ録画をする時代ではなくなった。ハードディスクが100G容量時代に入ったからだ。こうなると、圧縮率が低い「MPEG-2」でも十分対応できる。高画質放送を除けば、家庭用録画機器に「MPEG4」を搭載する必要性は、薄れたと見るべきだろう。

 もともと、「MPEG-4」に興味を持つエンジニアには、DVDの中味を苦心していじくり回す人達が多かった。そうしたオタク層が、「MPEG4」の広がりを期待していた。しかし、技術が発達してしまったため、「MPEG-4」を広げようという熱意は消滅したように見える。
 「MPEG-4 AVC」支持者は少数派に陥っているかもしれない。

 その理由は単純である。「MPEG-4」で統一と言っても、実態はAVIやasfファイル使用に過ぎなかったからだ。名称は同じでも、互換性確立に向かっていない規格への支持は難しい。

 これは、ストリーミング3規格の問題だけではない。

 そもそも、標準の「MPEG-4」コーデックを見かけないのである。というより、普通に使われている「MPEG-4」コーデックとは、正当の「MPEG-4」ではなく、Microsoft独自規格と見た方がよい。
 これだけならまだしも、別の「MPEG-4」コーデックも広く使われている。独自規格の「DivX」である。
 しかも、「DivX」はバージョン下位互換性を欠くから、様々な仕様がある。
 (「DivX」ソフトは個人用なら無償 AVIファイルなのでWindows Media Playerで視聴可能 http://www.divx.com/divx/licensing/)
 お蔭で、一言で「MPEG-4」と呼べないほど様々なコーデックが並存している。
 これを、「MPEG-4 AVC」はどのようにして統一するつもりか、さっぱりわからない。これでは、実践性が薄い標準化の動きと言わざるを得まい。

 標準化団体から見れば「統一規格化」でも、既存利用者から見れば、さらに新しい「MPEG-4 AVC」コーデックを追加するだけのことにすぎない。特段のメリットがなければ、混乱が増すだけだ。現状の方がまし、と考えるのは、利用者の自然な態度といえる。
 こうなってしまえば、規格の選択は、市場競争にまかせるしかあるまい。

 そうなると、「DivX」コーデックが力を発揮するかもしれない。(ストリーミングには未対応)
 すでに「DivX」機能をDVDプレーヤーに搭載する動きが進んでいるが、CD/DVDプレーヤーで「MP3」機能を搭載する動きとよく似ている。
 音楽ファイルの圧縮技術は結局のところ、アマチュアが使っていた「MP3」が標準となった。映像も同じように「DivX」になるかもしれない。

 もちろん、さらなる乱戦もありえる。参入者は尽きないからだ。
 中国政府が使った「VP6」も登場してくるかもしれないし、新たなコーデック「XVD」も発表されている。
  (http://www.ds-usa.com/news_424_BHA.html)

 「MPEG-4 AVC」は、「MPEG-2」のようには進みそうにない。

 純正「MPEG-4」規格に従うのは、新世代デジタル放送規格(CS放送なら「MPEG-2」で十分)と、ニッチ市場に留まるのかもしれない。


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