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2004.3.20
 
 


デジタル・カラー・サーバの威力…

 米国Xerox社の「Inobete '04」の共催者には、Adobe とEFI が並んでいる。
  → 「Xerox復活への動き」 (2004年3月19日)

 前者は誰でも知る、印刷/デザイン業界向けソフトの標準Adobe である。プリンタ企業の良きパートナーであるのは間違いない。
 ところが、後者のEFI は必ずしも、仲間かどうかはわからない。ビジネス業態によっては、競争相手になりかねない企業である。

 業界が変化している時は、将来シナリオは色々描ける筈だ。とりあえずは、協力してビジネスを進めていても、それぞれのシナリオは異なる可能性がある。もし、ビジョン共有ができていなければ、途中で対立が発生するかもしれない。
 特に、EFI のように、独占的な領域を確保している企業の動きには、常に注意を払っておく必要がある。

 EFI の立場は極めて強い。プリンタとネットワークの接続部分の技術を取り仕切っているからだ。まさに、要石の部分である。名付ければデジタル・カラー・サーバになろう。
 このサーバは、ネットワーク側が担当してもよかったし、プリンタ側が担当することもできた。

 プリンタ業界の雄には様々な技術が揃っているし、優れたネットワーク技術を誇る巨大企業も存在しており、どちらが握ってもおかしくないかったのである。
 にもかかわらず、両者ともこの領域をEFI に委ねた。

 結局のところ、プリンタ側も、ネットワーク側も、どちらも互いに覇権をとられることを嫌がったわけだ。その状況下で、EFI が一気に技術展開を図ったため、事実上の標準の地位を勝ち取ったと言えそうだ。
 (全てを自社で完結したがるプリンタ企業でさえ、外の技術を導入した点でも、珍しいケースである。)

 EFI は、この地位を守るために、プリンタ企業と広く手を結び、真似する気になれないほど迅速に、新製品開発を進めてきた。常に技術開発の先頭を走ることで、地位を確保してきたのである。
 かつては筐体に入っていた装置も、今や、チップセットになった。このお蔭で、EFI の業績は鰻上りである。
 (価格を1,000ドルから450ドルに下げたが、利益は逆に300ドルから325ドルに上昇、といったパターンらしい。(1))

 このサーバは、プリントのシステム化を進める際、要石となる。
 サーバを通してプリント機器の情報がネットワーク側に流され、この情報を見て、ネットワークに繋がるコンピュータから、プリント機器に命令を出す仕組みが動きはじめれば、このシステム全体をコントロール鍵はサーバが握ることになるからだ。
 具体的には、印刷量、トナー量、メインテナンス要請信号、機器ソフト更新、等の指示方法をサーバが決めることに他ならない。プリンタ企業のニーズに応えて、EFI が方法を決める訳だ。
 技術標準決定権を持つのは、プリンタ機器メーカーではなく、サーバ・メーカーなのである。

 と言うことは、EFI は、プリンタ業界のインテルと呼ばれる可能性を秘めている訳だ。

 --- 参照 ---
(1) http://media.corporate-ir.net/media_files/NSD/EFII/presentations/EFII_SBC_WEB_9_3_sr_2.pdf


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