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2000.9.21
 
 


炭素税額算定…


 日本政府は、世界に先駆けて温室効果による温暖化進行を食い止めようという動きを開始し、90年には(財)地球環境産業技術研究機構を創設した。世界的にも、92年の地球サミットまでは、真剣な議論が進んでいたように見えた。90年代初頭は、本気になって温暖化問題に取り組む姿勢が感じられた。

 ところが、その後の展開はのんびりとしたものになった。特に、97年の京都会議以降はほとんど進展がない状況だ。CO問題は忘れさられつつあるといえよう。政治のリーダーシップは、ほとんど発揮されなくなってしまった。未だに、京都議定書さえ批准しようとしない国が存在する。これでは、2000年11月に予定されるCOP6も、成果は望み薄といえよう。

 そのような風潮のなかで、日本の機構は、この10年間活動を続けてきた。その成果が出版された。同機構編著「地球を救うシナリオ CO削減戦略」(日刊工業新聞社 2000年8月)である。
 モデル計算結果によれば、2010年時点でCO抑制目標に対応した炭素税を計算すると、原油価格(バレル24ドルの場合)は50%上昇するという。
 早晩、今のような安価なエネルギーが入手できる時代は終わり、この程度の厳しい状況は避けて通れないことになる。

 但し、ここでのシュミレーションは、現在知られているシステムのパラメータで計算したものだ。本書でも指摘されている、もっと抜本的な危険性について取り組んだものではない。
-----「古気象データとモデル実験は、・・・淡水の流入によって地球の熱塩循環が大幅に弱まる場合、突然の気候変動が起こる可能性を示唆している。」
 おそらく、ある時点で、深海のハイドレートが突然瓦解し始め、ガスが海中から噴出し、止めようがなくなるのであろう。


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