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2000.10.28
 
 


深刻化する環境問題…


 ロイターは2000年10月26日に2つの環境問題の記事をリリースした。

 1つは、国連から委託をうけたIPCCの2100年平均気温予測スタディの最新版について。来年1月に正式報告されるのだが、そのドラフトのポイントが報道された。衝撃的な内容だ。(http://www.reuters.com/news_article.jhtml?type=science&Repository=SCIENCE_REP&RepositoryStoryID=%2Fnews%2FIDS%2FScience%2FSCIENCE-ENVIRONMENT-CLIMATE-DC_TXT.XML)
 95年の報告では、2100年平均気温は1990年より1.0〜3.5度上昇との予測だったが、今回は1.5〜6.0度になる。1世紀で6度の温度上昇の可能性があるという予測だ。

 気象科学者は、最近の温度上昇の影響がすでに現われ始めていると主張している。一部地域で発生している、強烈な暴風雨、大規模な洪水、深刻な旱魃は、この結果という訳だ。

 このような報告書が提出されれば、CO問題をこのまま放置する訳にはいくまい。

 もう1つは、オゾンホールの問題だ。

 南極オゾンホール発見は85年だが、その発見者の一人が、北極にも20年内に南極と同様なホールができると発言した。しかも、今年の南極ホールは記録的な大きさだという。オゾン層の回復はさらに難しくなってきたといえよう。 (http://www.reuters.com/news_article.jhtml?type=science&Repository=SCIENCE_REP&RepositoryStoryID=%2Fnews%2FIDS%2FScience%2FSCIENCE-OZONE-DAMAGE-DC_TXT.XML)
 ついに、南半球では、人が住む領域に危険な紫外線が降り注ぎ始める。陸地だけでなく、海の影響も無視できまい。極海の生物に紫外線の悪影響が出始めれば、水産資源も安泰ではない。

 2001年には、こうした問題にどのように対応するかの議論が沸騰することになろう。
 何百人もの気象科学者が、本気でCO削減運動に立ちあがる可能性もある。そうなると、社会は予想していなかった方向に一挙に動くかもしれない。今までは、異端と見られていた考え方が急速に支持を集める可能性さえある。環境問題を巡って激動が始まる。


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