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2002.1.21
 
 


コンバインド発電の衝撃…

 2001年にエネルギー産業の巨大企業エンロンが破綻した。資本市場から膨大な資金を調達し、税金も払わずに果敢な投資を進める経営だから、一歩つまづけば終焉、というハイリスクなビジネスだった。時代の寵児も短期間で消滅してしまった。

 エンロンの急速な巨大化と突然の破綻は、エネルギー産業では、事業構築に時間がかかるとの常識を一変させた。社会にとって安定供給が問われる基幹産業であっても、ダイナミックな企業経営が可能ということを示したからである。このことは、エネルギー産業が革命前夜を迎えているといえよう。

 エネルギー産業革命の引き金は当然ながら、技術である。

 引き金となる技術の1つがコンバインド発電技術だ。

 日本の原子力発電所は、百万キロワット強の施設で建設費用に約3,000億円が投じられている。ところが、1999年、百万キロワットのコンバインドシステム発電機器が400億円程度で調達できることがわかった。

 しかも、コンバインドシステム発電の効率が急上昇しており、今迄の発電の変換効率がせいぜい4割程度だったのに対し、6割に達していると見られる。明らかに、発電の価格破壊が始まった。
 [ Reliant Power Generation社(米国テキサス州発電会社)の施設: 44,000kW高性能天然ガスタービン発電機(GE製) x 19台 −−− 契約総額:2億8000万ドル ]

 このような小型発電機の集合設備は電力需要に応じて柔軟な稼働が可能だ。一方、原子力発電は連続運転が基本となる。そのため、余剰電力利用のために揚水ダム発電さえ進めている。エネルギー源が違うから単純比較はできないが、原油が高騰しないなら、コスト差は膨大だ。

 遠隔地の大型発電より、消費地に近い小規模発電の方が圧倒的にコスト優位になる時代が、到来した。


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