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2003.2.20
 
 


水素エネルギーの時代到来…

 2003年2月、ブッシュ大統領が、12億ドルを燃料電池車の研究開発費に投下すると、施政方針演説を行った。今生まれた子供が始めて運転する車は燃料電池車にしよう、との意気込みである。(http://www.whitehouse.gov/news/releases/2003/02/20030206-12.html)

 ブッシュ政権は、2002年に、今までの「PNGV」プログラム(2004年目標が燃料効率3倍)を解消し、新たにFreedomCARプログラムを始めた。目標達成が前倒し実現されると、規制強化になりかねないから、「PNGV」プログラムが消滅したと解説する人もいる位で、エネルギー政策の一貫ではあるものの、それほど力が入っているようには思えなかった。2003年の予算規模の1.5億ドル程度だ。(http://www.eere.energy.gov/vehicle.html)

 一方、米国では、カリフォルニアではFuel Cell Partnershipが動いている。(http://www.cafcp.org/)
 このため、米国で、先進的な動きが進んでいるように見えるが、国土が広い国であるから、大気汚染が厳しい地域で発生した問題と見た方がよい。全米規模で見れば、コスト意識が強いから、どちらかといえば、できる限りガソリンのインフラを温存する姿勢が濃厚な国である。世界のリーダーであるGMとエクソン・モービルの経営方針も、基本はガソリンというトーンだった。

 しかし、大統領の発言は、この流れを変えることになりそうだ。米国全体が一気に水素エネルギー分野に踏み込む可能性がでてきた。

 しかも、欧州で水素燃料のバス駆動が始まる。こちらでは、水素ガスステーションの設置の動きが始まっている。明らかに、一大ビジネスチャンスが生まれている。米国は、この流れに乗ろうと考えていると思われる。

 こうした状況下で、水素ステーションビジネスの動きが急である。
 2003年2月、Proton Energy Systemsはドイツで水素発生装置を設置したと発表した。
(http://www.protonenergy.com/index.php/html/companyinfo/investors/pressreleases.html?http://www.corporate-ir.net/ireye/ir_site.zhtml?ticker=prtn&script=410&layout=6&item_id=377868)
 一方、Stuart Energy Systemsもストックホルムに燃料電池駆動バス用の水素発生装置を設置と発表した。さらに、世界初と称する、水素エネルギーステーションを公開した。燃料電池のリーダー企業バラードとフォードも参加しているプログラムだという。このモデルは2003年中頃に香港に設置予定だ。(http://www.stuartenergy.com/news/press_releases/press_feb18.html)
 Stuart Energy Systemsはオンサイトの工業用水素製造装置では世界一位の企業だ。この技術的蓄積を活用して一気に市場を拡大しようと考えているといえよう。

 もちろん、日本でも、動きがなかった訳ではない。例えば、2002年2月に日本重化学工業の水素吸蔵合金蓄積型の水素燃料ステーションが大阪ガス内に設置されている。(http://www.jmcusa.com/hfuel.html)
 水素ガススタンド基準に係る技術検討も着々と進んでいる。(http://www.meti.go.jp/kohosys/press/0003529/0/021225suiso.pdf)
 しかし、率先して水素ステーションビジネスを切り拓こうとの動きがあるようには思えない。業界団体と政府協調路線であるからだ。

 米国の動きは違う。投資家がチャンスがあると見れば、水素ステーションはあっという間に広がる。燃料電池車普及は後からついていくことになるかもしれない。

 一般に、米国では動きが速い。しかも、必要と考えれば、過去の決定にとらわれずに、一気に進むことが多い。
 一方、日本は決定までに時間がかかる上、一端決まれば、状況が変わっても変更しない。
 水素エネルギー分野でもこの特徴がでてしまうと、日本は決定的に不利だ。


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