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2010.10.20 |
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“もんじゅ”は廃炉の道しかなかろう。…2010年10月13日、高速増殖炉「もんじゅ」で、落下してしまった装置回収作業が行われた。装置をつり上げるだけの単純作業だが、うまくいかず中止となった。(1)約半分まで引き上げたら、つり上げ器具の荷重計が限界値を示したため、作業を続行できなくなったらしい。 どういうことかは、仕様の数値を見れば自明。 【原子炉容器内に落とした筒型の炉内中継装置】 ・上下2本の筒を8本のピンで接合した構造 ・全長12m 重量3.3t ・直径46cm 【引き上げ箇所(原子炉容器蓋のプラク穴)】 ・直径46.5cm 【引き上げ装置の状況】 ・引き上げ能力 4.8t 誰が考えても単純な原因としか思えまい。・・・装置が落下した際に筒の接合ピン部分で歪んだということ。3.3tもの自重がある細長い筒状の装置を落としたのであり、液体の抵抗でドスンという衝撃は無いだろうが、弱いピンの部分が歪んで当たり前ではないか。全長12,000mmの中間部であり、歪みが5mm内に留まると期待するのはどだい無理な話。 この先何回試そうと、歪んでしまったものを引き抜くことができる訳がなかろう。時間の無駄では。 本気で抜きたいなら、引き上げ機器の能力を上げて無理矢理引きづり出すか、穴を大きくするしかなかろう。しかし、この装置の構造から見てとんでもないことを始めることになってしまう。そもそも、3.3tのものを4.8tの力で引上げるということは、1.5t程度を無理に力をかけていることになる。蓋の固定部分がどうなっているのか知らないが、まあ碌なことはない。。 結局のところ、炉のカバーを開けて取り出すしかなかろう。だが、遠隔操作でそんな作業を行う能力があるとも思えない。奇策でも思いつかない限り、改造するしかないが、工事承認と言っても、安全性データ収集を要求されるから20年かかる話になろう。 もともと、こんな厄介な装置を使って燃料交換をしたりするのは、炉を完全密閉構造にするしかないからである。液体ナトリウムで満たされているから、危険防止のためにアルゴンガスを充填しているのだ。この手の事故はもともと考慮されていない設計の筈。お粗末この上ないマネジメントといわざるを得ない。 今後、状況を調べると言っても、点検穴からカメラを入れて液面上を眺める程度しかできまい。どうにも手の打ちようがない。 こんな場合、常識的には、最良の手段は「廃炉」だと思われる。 決断するなら早い方がよかろう。 --- 参照 --- (1) 「もんじゅ、装置回収また中断 ふたに引っ掛かる? 」 福井新聞 [2010年10月14日] http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news0/index.php?page=article&storyid=24207&storytopic=34 “「もんじゅ」炉内中継装置落下関連情報 ” 原子力機構 http://www.jaea.go.jp/04/turuga/jturuga/press/rcr.html エネルギーの将来の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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