トップ頁へ>>> | 2013年6月7日 | 「魚」の目次へ>>> |
| 二枚貝分類の不可思議さ貝類の大分類が足の形態で記載されていると最初はえらくとまどうが、動き方で分けていると見れば結構わかり易い。いかにも、生きていくためのスキルの違いが示されている感じがするし。 ◆斧足 ◆腹足 ◆堀足 ◆頭足 もっとも、この手でいくと、見かけが貝に似ているシャミセンガイも加えたくなってしまう。 ◆腕足[非貝類] 一方、足的なものを感じさせない多板類は、素人気分では、一緒に並べたくなくなる。 ただ、釜足よりは通俗的な二枚貝という名称の方がはるかにわかり易い。それなら、以下のように統一的に貝殻の形態表現して欲しいもの。どうもこの辺りが貝の分類がコチャゴチャ感を与える元凶となっていそう。 ◆二枚貝殻 ◆一枚巻貝殻(退化するとウミウシ等) ◆一枚角貝殻 ◆一枚無螺型巻貝殻(退化するとタコ等) これだと、貝殻とは言いかねる連中も同一視点で並べることができる。どうしてそうしないのか、さっぱりわからん。 ◆単板 ◆多板(ヒザラガイ)/◆無板[退化] たったこれだけでも、シナリオが描けそう。正しいか否かは別として。 ・元祖の形は「多板」。 -進化すると板は減り「単板」。 -完全に退化すると「無板」。 ・方向を変えて進化すると「一枚貝殻」。 -さらに、「二枚貝殻」へ。 -一枚族は多様化。 * 貝殻退化も。 * 砂地掘削向き貝殻誕生。 * 多足収納向き貝殻で遊泳族登場。(当然、貝殻不要に。) 実にわかり易い。後は、どうしてそんな進化が発生したのかの理由探し。状況証拠で十分。 ところが、この先の、二枚貝の分類に入ると、以下のような、もう、なにがなにやらの5(4)分類。 ◆原鰓・・・鰓による分類 ◆翼形・・・貝殻による分類 ◆古異歯/◆異歯・・・歯による分類 ◆異靱帯・・・靱帯による分類 ビジネスの分野では絶対にあり得ない整理の仕方である。 貝の専門家は当たり前なのだろうが、素人には、一気にこれってなんだかね状態に突き落とされる。暗記大好き人間は除くが。 「その他」の貝は無くてよいのかえらく気になるし、互いに重なったらどちらに所属するのかどうやって決めるのか疑問が湧いてくるということ。まあ、無知蒙昧の輩の余計なお世話ではあるが。 それが、最近、ようやく整理されてきた感じがする。先ずは鰓で見て、次が貝殻外形。さらに歯を眺め、最後が靭帯。もっとも、それぞれの言葉がどのような形態や機能を示しているか、素人にはよくわからないのが難点だが。尚、貝殻の物理的形状と、水を取り入れて呼吸する鰓の構成は、当然ながら深く連携しているから、どちらで分類してもそう大きな違いはなさそう。 この分類を使う場合、斧足ならまだしも、貝殻形態の視点での名称である「二枚貝」という名称は妥当とは言い難かろう。先ずは鰓で分類するのだから、すべてを一括できるように、「弁状鰓貝」とすべきではないか。こうすると、巻貝も鰓で3分類(心臓前鰓、心臓後鰓[殻退化型]、非鰓呼吸[有肺])できるから、統一性がでてきてよりわかり易くなる。と思ったら、残念ながらこの分類はなくなったようだ。そうは問屋が卸さずといったところ。始祖腹足、直腹足の2つに集約された模様。 さて、そうなると二枚貝は、真の釜足ということか。以下のように細分されることになるのだろうか。一知半解のド素人が、いい加減に書いたものだから、間違っているかも知れぬが。 ◆対向原鰓=(?)貝殻 ・古多歯---クルミガイ ・隠歯---キヌタレガイ ◆(?他)原鰓=(?)貝殻---ロウバイガイ ◆固有弁鰓糸型=翼形貝殻 ・貧歯---イガイ ・真多歯---フネガイ ・(?少歯)---イタヤガイ、カキ ◆固有弁鰓真性=異形貝殻 ・古異歯---サンカクガイ、イシガイ ・異歯原始型---トマヤガイ ・異歯真性 −完靱帯 −異靱帯 −(?他)靱帯 ともあれ、ここまでくれば、どのように分岐したのかストーリーを描くことができそうである。もっともそうなると、上記のように整然とした視点で分類しても、それぞれの事情で進化が発生しているなら、再度、ごちゃ混ぜにしなければならなくなったりするのかも知れぬ。 まだまだ道は遠そう。でも、証拠がまるで無しの「まるっきり仮説」でもよいから、分岐の流れを面白く解説する学者が現れてもよさそうに思う。もっとも、そんな滅茶苦茶なことをしても、得るものはほとんど無いどころか、学者生命が絶たれかねないか。 それに、よく考えれば、プロの研究対象は絞り込まれており、そこに全力投球しているのだから、広範囲に眺めて夢想にふける暇など持ち合わせていなさそう。でも、へそ曲がりがいてもと期待しているのだが。 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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