トップ頁へ>>> | 2013年6月8日 | 「魚」の目次へ>>> |
| 素人的動物大分類思考のお勧めダーウィンの指摘で一番重要な点は、「種」なるものは人間が恣意的に作りあげた概念にすぎず、「種」も、それを大括りにした「分類」も、生物学上で明確な定義を下すのは無理というもの。小生だけがそう思っているのかも知れぬが。 それが、分子生物学の発展で、ついにあからさまになってしまった。 と言うか、形質に類似性有りということでまとめて「分類」する話と、進化の流れに沿って分岐していることからくる「分類」する話を、ゴチャ混ぜにしているから、どうにもならなくなってきたのでは。おそらく、皆に暗記させた「分類」概念をなんとかそのまま使おうとするから、齟齬が生まれ、素人から見ればコリャなんなんだということになる。全くこまったものである。 これをすっきりした形にするには、分岐が発生した理由付けをして、それが新しい棲息の場を大きく広げたか否かという点から重要性を判定し、それに合うように分類するしかあるまい。従って、仮説でもよいからストーリーを作って、分類するのが最良の方向。 学校で習った分類名称で言えば、大雑把には、魚の進化はこういうことになるだろう。 (0) 元祖は海中棲の背に神経索がある動物。 (1) 食餌力増強で口角(顎化)発達。 (2) 敏捷に動くために索の強度が高まり軟骨発生。→軟骨魚 (3) さらに強化型の硬い骨で神経被覆。→硬骨魚 (4) 運動能力向上に条筋入りの鰭発達。→条鰭魚 (5) 腹面接触での運動能力強化で2対鰭が足的に。→総鰭魚 (6) 非水中環境対応呼吸器官保有。→肺魚 (7) 陸棲対応機能テンコ盛り。→両性類 上記は連続的なストーリー。当然ながら、先にくるものが後を包含していると見なさざるを得ない。3⊃4⊃5⊃6なのだ。従って、4と5に6までをも並列的にして、3でこれらを括る分類体系には違和感あり。 そうそう、6と7で魚の境界線を引く必然性があるとは言い切れまい。足指があるとはいえ、サンショウウオやイモリまで魚類に含めたところでどうということもなかろう。鰓呼吸できるなら陸上棲でも魚類としてもおかしくなかろう。鯨を魚類としないように。四足化が脱魚のメルクマールというなら別。だが、陸上移動という視点で見るなら鰭の足化は利点は大きいが本質的なものとは思えないが。 それに、皮膚が魚とは違うが、爬虫類や哺乳類とも違うのだから、そこだけ注目する意味があるとも思えない。それを重視するなら、ヒトは裸類として独立させる必要があろう。 それより、その次が重要。決定的な変化が生まれているからだ。 (8) 陸棲卵の成長様式として羊膜ができる。 これは画期的。ここで、分岐が発生。 (9a) 爬虫類(変温)/鳥類(恒温) (9b) 古代獣類/哺乳類 aとbは林檎と蜜柑のように、全く別なもの。そうなら、両者ともに同じような階層構造で再分類を進めたところで、レベルが揃っている保証はない。そんな分類階層の表現は誤解を生む元では。 要するに、(9a)は一括名称が必要ということ。さらに展開するなら以下のようになろう。 (a1) 脊椎保護外皮甲羅化族[亀] (a2-1) 硬鱗蛇蜥蜴族 (a2-2) 硬鱗鰐鳥族 おわかりだろうか。 伝統的な、魚類、両性類、爬虫類、鳥類、哺乳類という並列的な5分類は混乱を招くだけで、何の本質も語ることができないものと化してしまったということ。そろそろ、それぞれがどういう概念なのか省みてみる要あり。漢字分類を持ち出すと大笑いすると思うが、そのセンスと質的にはなんらかわるところがない。と言うか、学者を除けば、分類の階層感覚が欠落しており、言われた通り暗記しているだけ。処世術としては優れているが、こんなことをしていると、新しいものの見方を自分の頭で生みだすことができない体質になってしまう。 上記の話が馬鹿くさいと感じたら、多分、もうアウト。そうなる前に、自分の理解している範囲で、独自のシナリオを作ってみることだ。 そうでもしないと、センスは鈍る一方。 「魚」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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