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魚の話  2005年3月25日
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かわはぎの話…

 ニガダマを 取って肝食う 良夜かな  嵐山光三郎(1)

 「かわはぎ」という名前は「皮剥」のことらしい。
 扁平な全体像の割りには、口が目立つのが特徴である。

 至る所にいる魚の割りには、結構釣るのが難しいそうだ。賢い魚なのである。
 しかも、せっかく獲っても、皮が余りに硬いため、そのままでは料理できない。
 面倒なので、人気は今一歩だ。

 と言うと大きな間違い、と指摘されるかもしれない。フグをも凌駕する美味しさで、近頃大人気との説もあるのだ。(1)
 キモあえと、肝汁が絶品だという。

 本当かいな。

 ともかく、食べるためには、どうしても、皮を剥ぐ必要がある。
 しかも、淡白な味だから、煮魚か、鍋にでも入れて使うしかあるまい。料理の腕によって、美味しい皿が用意できるといった類の食材にはなりそうにない。

 それにしても、「皮剥」とは恐ろしく直裁的に命名したものだ。
 魚偏の当て字もあてがわれないようだから、注目を浴びない魚と思ったら、そうでもないようだ。

 各地におびただしい数の別名があるという。(2)

 面白い名前が紹介されている。
 ・おろし金のように皮膚がザラザラなので「センバ」
 ・「ラケット」は説明不要だろう。
 ・身ぐるみ剥がされるので「バクチウチ」

 この魚の愛嬌ある顔を見れば、誰でもが、名前を工夫したくなる訳だ。
 そして、カワハギ釣りの薀蓄を語るマニアも出てくる。

 --- 参照 ---
(1) 嵐山光三郎「カワハギ万歳! 釣った、食った、はまった」PHP新書 2004年11月
(2) 川崎洋「魚の名前」いそっぷ社2004年12月
 

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