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魚の話  2005年4月8日
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めばるの話…

 浜町の灯を浴び眼張など見歩く 村山古郷(1)

 メバルは、確かに目玉が大きく、しかも張っている。親しみが湧く顔である。
 見た瞬間、いかにも視力が良さそうな感じがするので、釣れないと、メバルに糸を見破られた考えるらしい。しかし、そんな証拠などない。
 当然だ。見えかたは、レンズの焦点距離で変わるし、精度は視覚細胞の数で決まる。こんなことを、釣り人に言うのは大人気ないか。

 色で黒メバル、赤メバルなどに分かれるそうだ。住んでいる深さで色が変わるという。
 魚屋さんが言ってることだから信用するしかないが、保護色で変身できる魚でもないのに、そんなことが可能なのだろうか。
 浅いところに住む黒っぽい種と、深いところに住む赤っぽい種がいるのではないかと思うのだが。

 黒のほうが値段が高いところを見ると、浅いところで住む方が美味しいようだ。もっとも、東京での話しかもしれない。と言うのは、近場であがるのはもっぱら黒のようだからである。鮮度が良いだけかもしれない。
 個人的には、煮付けても色が保てる赤の方を、美しい皿で出してもらった方が嬉しいのだが。

 もっとも、料理屋に言わせると、金メバルというのがいて、これが圧倒的な一番だという。とてつもなく美味しいのか、一番お金が儲かるのか、よくわからないが。

 メバルを食べ慣れた人には、金メバルの素晴らしさは常識なのかもしれない。

    黒潮の 香をつれて来て 金めばる  小沢大夏(1)

 メバルといえば、必ず煮付けで登場してくる。くせが無いから食べやすくてよいが、致命的な欠点がある。お値段が結構お高いのだ。
 岩場に住んでいて、一度に大量に獲ることができないから、人気がでれば高価になるのはいたしかたないのだが。

 煮付けの場合は、筍と一緒にして、春を楽しもうと訴求すると、うけるそうだ。
 料理屋にとっては、メバルとは、春に稼げる魚なのである。

 獲りつくしてしまわなければよいのだが。

 --- 参照 ---
(1) いきもの歳時記4月6日<眼張>に掲載 http://www.mainichi.co.jp/life/hobby/haiku/saijiki/ikimono/199704/06.html


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