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魚の話  2005年8月19日
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さめの話…

 鮫上げて 梅雨の市場の 人だかり 遠藤梧逸

 鮫というとパックリ口をあけた恐ろしい「JAWS」(1975年 Steven Spielberg監督)を思い出す人がほとんどかもしれないが、一寸高年齢層になると、思い出は「チコと鮫」(“Ti-koyo E Il Suo Pescecane”1962年 Folco Quilici 監督 伊)の方だろう。
 タヒチでの少年と鮫との友情物語だ。結局は、観光業と対立して島を去るという結末が寂しいが、素敵な海の色と鮫の目の優しさが印象的だった。Francesco DeMasiの音楽(1)が何時までも残り、一度見た人にとっては、忘れがたい映画である。

 映画のお陰で、鮫は食材という感じがない。

 ところが、最近は「わに料理」の宣伝を見かける。
 結構美味しいらしいのだが、試す気にはならない。すぐにアンモニア臭がする魚であることを知っているから、敬遠してしまうのである。

 もともとが鮫は家庭で食べるような魚ではない。
 新鮮なうちに、皮を剥いで身を提供できる市場が無い限り料理には向かないと思う。

 もっとも、南洋では、高級レストランで“Baby Shark Fry”がメニューに載っている。食材として認知はされている訳だ。食べたことがあるが、特段安い訳でもないし、魅力的な料理は他にいくらでもあるから、わざわざ食べるほどの価値はないと思う。

 はっきり言えば、肉は不人気な魚である。獲れれば、しかたなく使うというだけの話だろう。
 ということは、漁では、鮫は獲れても鰭だけ採取して、残りは海に捨てることになろう。
 淡白な肉だから、加工食品に利用できないことはないが、面倒だし、価格は安いから、しかたないのである。

 もっとも、このことが問題を引き起こしている。ふかヒレ人気が続いているから、鮫漁が盛んなのだ。
 お陰で、種の保存運動を繰り広げる事態になっている。(2)

 観光業から嫌われて殺される一方、鰭だけを狙った乱獲にも直面している訳だ。

 「チコと鮫」を見た世代にとっては、余りに悲しい話である。

 --- 参照 ---
(1) NHKの名曲アルバムにも登場した。[慕情の巻] http://shop.nhk-sc.or.jp/shop/goods/goods.asp?goods=020200040&cookie=no&sort=price
  写真が懐かしい。 http://www.italiansoundtracks.com/soundtracks/cam/cmstikoyo.html
(2) 水族館の例 http://www.flmnh.ufl.edu/fish/sharks/sharks.htm
 

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